2006 Fiscal Year Annual Research Report
複合現実感(MR)技術を用いた感覚情報呈示法による姿勢制御に関する基礎研究
Project/Area Number |
17603001
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
田中 敏明 札幌市立大学, デザイン学部, 教授 (40248670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 秀勝 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (10048134)
伊福部 達 東京大学先端科学技術研究センター, 教授 (70002102)
泉 隆 北海道東海大学, 工学部, 教授 (80193374)
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Keywords | バランストレーニング / 複合現実感 / 振動刺激 / 視覚情報呈示 / 福祉工学 |
Research Abstract |
平成18年度においては足底部のみの振動刺激であったが立位重心位置に近い腰部への振動刺激を実施した。健常成人のバランスデータ収集(17名)として、前後左右への最大重心移動により立位時の安定を臨床で評価する起立安定域テスト(クロステスト)を実施した。振動装置を内蔵した足マットおよび腰ベルトを用いて、健常成人が各自の足の位置を変えないで身体を前後左右に傾ける起立安定域テストを実施し、振動刺激でコントロールできるか否かを検証した。実験内容としては前後左右の最大変位を100%とした時の110%の位置と50%の位置で足マットもしくは腰ベルトで振動刺激を与えた時、身体をその位置で保持するように指示した。実験結果は、足マットおよび腰ベルトともに、振動刺激での110%および50%の位置情報により約8割以上の正確さでその位置を保持可能であった。ただし、腰ベルトのほうが足マットによる刺激に比べ、正確に呈示できた。これは振動子への荷重による振動周波数の変化、身体部位別感覚閾値の違いなどによる影響も考えられる。また、健康高齢者60名に関して、クロステストを自宅トレーニングとして週3回、4週間継続させた後、前後左右への最大重心移動距離に関する初期評価と再評価の比較分析を実施した。結果として、再評価は初期評価に比べ、前方最大重心移動距離の被験者平均は1.35倍となり、後方および左右最大重心移動距離はともに1.28倍になり、安定域の増加を示した。初期評価および再評価において本人の最大移動位置を本機器の振動刺激を用いて注意喚起したことにより本人が十分自覚不可能な重心の位置に関して、自分の前後左右への重心移動の限界値およびトレーニングの目標値を理解することに有益であったと考える。重心位置の変化をHMDおよび液晶ディスプレイによって患者に呈示したところ、ディスプレイを見ることによってより自分の重心位置の変化を理解しやすいとの内観報告も得た。
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Research Products
(7 results)