2006 Fiscal Year Annual Research Report
肥満細胞によるストレスホルモン分泌促進作用は生体防衛に寄与しているか
Project/Area Number |
17607010
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松本 逸郎 長崎大学, 大学院医歯薬総合研究科, 助教授 (50039559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 勝彦 長崎大学, 環境科学部, 教授 (90073006)
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Keywords | アレルギー / 肥満細胞 / バソプレッシン / カテコールアミン / ケトチフェン / IgE / WS / WSラット / ヒスタミン |
Research Abstract |
脳内肥満細胞についての実験 視床下部の正中隆起部には多数の肥満細胞があり抗原センサーとして働き、ストレスホルモンを分泌することにより生体防衛に役立っている可能性についてのイヌを用いてた検証実験 実験1-1.イヌの脳内肥満細胞をIgEによって受動感作し、抗原challengeで刺激した。この受動感作/抗原刺激によって副腎静脈血中のCatecholamines(Epi & NE)分泌が上昇し、and-CRF抗体の前投与やヒスタミンH1ブロッカーはこの反応を抑制し、ヒスタミンH2ブロッカーは増強した。 実験1-2.脳内肥満細胞のIgE依存性Catecholamines分泌上昇は肥満細胞安定化剤であるKetotifen(抗アレルギー薬)の前投与によって減弱した。 実験2-1.肥満細胞の特異的刺激薬であるCompound 48/80の脳室内投与による末梢と副腎静脈血中のカテコールアミン上昇は肥満細胞安定化剤であるKetotifen(抗アレルギー薬)の前投与によって減弱した。 実験2-2.Compound 48/80の脳室内投与でバソプレッシン(ADH)が末梢血中で上昇し、両側の内臓神経切除で増強した。このADHの上昇反応は肥満細胞安定化剤であるKetotifen(抗アレルギー薬)の前投与によって減弱した。 実験2-3.Histamineの脳室内投与は副腎静脈血中のコルチソールとCatecholaminesを上昇させ、末梢血中のADHを上昇させた。 末梢臓器の肥満細胞についての実験 c-kit依存性肥満細胞欠損マウス(Wv/Wv)は摂食量が少なく、Cajal細胞を欠損しているので消化管運動が不全である。しかも腸管結紮・針穿刺後の感染・炎症に対する免疫応答が微弱で死にやすい。このことにセロトニン3型リセプターとCCK-8が関与するか否かをWv/Wvマウスと相同のラットである肥満細胞欠損ラット(WS/WS)で検討した。 実験3-1.Wistar系ラットではCCK-8の投与で摂食抑制が起こり、この抑制はセロトニン3型リセプターアンタゴニストによって軽減した。 実験3-2.WS/WS系ラットでは、CCK-8による摂食抑制が見られなかった。
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Research Products
(4 results)