2005 Fiscal Year Annual Research Report
日常生活に即応した科学教育によるアフガニスタンの女子教育支援
Project/Area Number |
17611001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
藤枝 修子 お茶の水女子大学, 開発途上国女子教育協力センター, 名誉教授 (70017200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 義仁 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (10239626)
室伏 きみ子 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (00103557)
久保田 紀久枝 お茶の水女子大学, 理事 (90008730)
駒城 素子 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (10077480)
松本 勲武 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (70012664)
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Keywords | 国際研究者交流 / アフガニスタン / 女子教育支援 / 科学教育 / 国際協力 / 生活科学 / 途上国向け教材開発 / イスラム圏 |
Research Abstract |
アフガニスタンにおける女子教育は過去四半世紀にわたる戦乱と地域的習慣や価値観の中で抑圧され、家庭内において母親により好条件のもとではわずかに行われてきた。この現状を踏まえ、初等・中等教育段階の女子教育だけでなく、家庭内で育児、衛生・栄養管理、教育など全てを担う母親への教育も不可欠である。本研究代表者はアフガニスタンの女子教育支援にかかわり、2回にわたり1ヶ月弱をカブールに滞在して、現地における女子教育指導、出前理科実験指導を経験し、また通算17週間にわたりアフガニスタンから来日した女性校長や大学教員など女子教育指導者の教育研修にあたった。これらの経験をもとに、今年度、検討を行った成果を箇条書きにまとめる。 1.現地に求められる支援は、即効性のある母親教育であり、日常生活にすぐ適用できる内容を題材にすべきである。 2.個別的な知識の伝達ではなく、遭遇する内容や問題に学びを通して論理的思考能力を啓発する必要性がある。 3.男女を問わず、子どもとともに学べるような日常生活に即応した内容を、理科・科学教育の視点で扱う。 4.教材開発にあたっては、素材や材料などは現地で比較的簡単に調達できるものに限る。 5.教材は設備などを必要としない工夫として、紙芝居形式でイラスト、写真を中心に、説明部分は最小限とする。 6.イラストなどは、日本・西欧的なものは避け、現地に馴染みやすいものが不可欠と考えた。 7.ユネスコ協会連盟のご協力により、現地のリーダー的役割の人が公民館に集い、現地に必要と考えたテーマで作成したダリー語による冊子を5種類入手し、いくつかの視点からの分析を行った。ただし、内容は本研究で対象としているものではなかったが、多くの示唆がえられた。 8.ユネスコアジア文化センターによりイスラム圏の子ども向けに作られた絵本のダリー語版とパシュツン語版を借用し、イスラム圏の習慣などを検討した。 9.アフガニスタンの子ども向け絵本を作成するNGOからパシュツン語版を借用し、参考資料とした。 10.これら参考文献や資料をもとに、熱・温度と太陽エネルギーの有効活用、食物の調理、病的発熱の熱・温度に関連するテーマを子どもの絵本化、紙芝居化するためのストーリー、レイアウトなどを具体的に検討した。
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