2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17611004
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
道信 良子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (70336410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 義秀 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50196135)
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Keywords | 公共的社会組織 / 地域参加 / タイ / 高等教育 / ストリート・チルドレン |
Research Abstract |
本研究は、タイの地域社会における、地域住民の創意工夫と相互扶助による内発的で自生的な発展の具体なあり方を調査するものである。具体的調査テーマと研究実績は、次の通り。 1)企業・国際NGO・地域住民組織の協働による若年工場労働者の健康増進活動 従来の公衆衛生活動は、各国の政府が、国際機関で合意された方針に則りトップダウンで活動目標を定めて実行されるものであった。新しい公衆衛生活動は、国際機関や政府の権力を可能な限り抑制し、地域住民やNGOが主体となって活動することを推進するものである。このパラダイムの転換期において、「地域」や「地域参加」、「個人的行動」や「地域的行動」という基本的概念をめぐり、公衆衛生領域の各専門家の間に理解のズレがある。このズレは、国際機関、国際NGO、政府、大学という組織間・組織内における摩擦をおこしている。さらに、各専門家の理解と地域住民の理解にも異なりがあり、実際の公衆衛生活動におけるパラダイムの転換を表面的なものに留めている。本年度は、日本と米国とタイにおける理論的調査と専門家インタビューを通じてこれらの課題について検討した。 2)高等教育機関が果たす地域貢献 コンケーン大学人文社会学部地域開発学科では、実習教育の一環として、教員の指導の元に学生に若干のファンドを使わせて、地域開発を経験させ、地域住民に役立たせるプロジェクトがある。また、修士論文の調査研究も地域開発に関わる一次資料を収集している。このように大学教育と大学の地域貢献を接合しようという試みは興味深いが、資金不足、継続性の面で問題を抱えている。なお、このような試みは他大学の開発関連の学科にもある。 3)ストリート・チルドレンのためのノンフォーマル教育。 研究協力者であるタイの留学生がチェンマイ、プーケット、コンケーンにおいて調査を行った。
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Research Products
(4 results)