2005 Fiscal Year Annual Research Report
知覚神経系の回路形成に特異的に関与する骨形成因子阻害蛋白に関する研究
Project/Area Number |
17650099
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐藤 康二 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80235340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 浩司 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90263277)
三河 須美子 浜松医科大学, 医学部, 助手 (70359743)
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Keywords | 知覚神経系 / 神経回路 / 骨形成因子 / 神経細胞 / アストロサイト |
Research Abstract |
後根神経節に存在する一次知覚ニューロンから、脊髄の二次ニューロン、後索核の三次ニューロン、そして、視床の四次ニューロンに至る知覚性上行路の神経回路形成のメカニズムについては、未だその詳細は不明である。我々が最近cloningした新規骨形成因子アンタゴニストであるニューロジェネシン(NG1)は胎生期ラットの知覚神経上行路おいて、growth associated protein(GAP-43)と同期して発現していた。GAP-43は軸策伸張時、シナプス形成時に特異的に発現する蛋白であり、ニューロジェネシンも同様の現象に関与しているとことが示唆された。しかも、錐体路等の下降路に於いては、その発現は見られなかった。このことは、ニューロジェネシンが知覚性上行路に特化して神経回路形成に関与することを示している。従って本研究では、ニューロジェネシンを中心に据え、BMPシグナリング系の知覚性上行路の神経回路形成に於ける役割を明かにすることを目的とし、検討を行った。方法としては、免疫組織化学法を用いて発生の様々なステージに於けるNG1とその結合相手であるBMP4とBMP7との発現のパターンを検討した。結果としては、NG1は、知覚神経系に特異的に発現していることが確認された。更に、後根神経節の一次知覚ニューロンにおいて、その発現は均一ではなく、様々な程度に発現していることが明らかとなった。また、BMP4とBMP7との発現分布の比較では、BMP4とBMP7がdiffuseに存在するのに対し、NG1は、強弱がはっきりした分布様式を示しており、局所のBMPシグナルを調節している可能性が強く示唆された。現在、NG1ノックアウトマウスの解析を進めており、引き続きNG1の知覚神経系の回路形成における役割を解析していく。
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Research Products
(3 results)