2005 Fiscal Year Annual Research Report
ルシフェリンによるATP検出に基づく血液ポンプ内部における血栓形成の実時間観測
Project/Area Number |
17650124
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
瀧浦 晃基 東北大学, 先進医工学研究機構, 助教授 (60375194)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井街 宏 東北大学, 先進医工学研究機構, 教授 (10010076)
望月 修一 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00345042)
|
Keywords | ルミネッセンス / 血小板凝集 |
Research Abstract |
本研究は,ルシフェリン-ルシフェラーゼを利用した安全かつ非常に敏感なATP検出手法を応用することで,血栓形成の初期段階である血小板凝集を血液ポンプ内部において捕らえようとするものである.まず基礎実験を行うために,45度に傾けた試験管を一定回転速度で回転させる機構を,ワンチップマイコンとステッピングモータを用いた機構で作成した.完成した装置に,血液凝固能抑制のためにヘパリンを加えた山羊新鮮血を充填した試験管を装着して,装置全体を暗箱の内部に設置した.試験検体を一定速度で回転させながら,血小板凝集の際に血小板から放出されるATPを検出するためのルシフェリン-ルシフェラーゼを加えた後,血液の凝固能を復活させるために硫酸プロタミンを加えた.血液中から放たれる発光の強度を光電子増倍管を用いて観測し,硫酸プロタミンを加えてから5〜10分後にATPとルシフェリンの反応による発光ピークを検出した.これは,硫酸プロタミンを加えてから血栓ができるまでに要する時間とほぼ同じであり,本手法によって血小板凝集が検出できたものと考えられる. 硫酸プロタミンの投与によって血液凝固能を復活させた後,発光ピーク出現までの時間にバラツキが大きいため,実験の再現性について詳細な検討を行う必要が生じた.試験管の回転装置を2台作成して,暗箱内と暗箱外で同時に血栓形成実験を行うこととした.案箱外に設置した装置によって血栓形成を明視下で観察すると同時に,案箱内の発光観測を行い,これら二つの結果を比較できる実験系とした.現在,本装置によって,実験結果の再現性に注目しながら,試薬投与量等について実験条件の最適化を行っている.
|