2005 Fiscal Year Annual Research Report
イスラエル建国前後におけるシオニズムの政治思想史的研究
Project/Area Number |
17653016
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山田 正行 東海大学, 政治経済学部, 助教授 (80297176)
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Keywords | シオニズム / 政治思想史 / ナショナリズム / 民族問題 / 国民国家 |
Research Abstract |
平成17年度、本研究がおこなったのは、まずもって19世紀後半から20世紀中葉にいたるシオニズムの歴史的な経緯の主要な流れを概括的にせよ把握すること、また、そのうえで、シオニズムとそれをとりまくさまざまな思想的な潮流についてのいちおうの理解を得ることであった。そのために、20世紀における(2次にわたる世界戦争と密接に関連する)イスラエル建国前後の歴史的な事実をめぐる歴史的な研究、19世紀後半から顕著になってくる反ユダヤ主義とそれにたいする反動としてのシオニズムをめぐる思想史的な研究を2本の柱として、数多くの先行研究を探索することに多くの時間をついやすこととなった。これと関連して、イスラエル建国にともなって抗争を繰り広げることとなるイスラエルおよびパレスチナの政治家をはじめとする当事者たちの証言もふれるようにつとめた。 本研究においては、筆者の専攻との関係もあり、たんに歴史的な研究や思想史的な研究であるにとどまらず、研究のテーマにとって枢要と目される思想家の思想研究をおこなうことが大きな目標となっている。現段階では、どの人物にスポットライトを当てるべきかを検討しはじめるにとどまっているが、さしあたって、マルティン・ブーバー、ハンナ・アーレント、ジュダ・マグネス、レオ・シュトラウス、エマニュエル・レヴィナスなどをはじめとする、この問題で重要な役割を演じていると思われる思想家たちの文献にふれ、今後の方向性を探ろうとしているところである。
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