2006 Fiscal Year Annual Research Report
イスラエル建国前後におけるシオニズムの政治思想史的研究
Project/Area Number |
17653016
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山田 正行 東海大学, 政治経済学部, 助教授 (80297176)
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Keywords | シオニズム / 政治思想史 / ナショナリズム / 民族問題 / 国民国家 |
Research Abstract |
平成18年度、本研究がおこなったのは、1930年代後半から1940年代半ばにいたる時期のシオニズム内部各派の動向、とりわけナチス・ドイツによるユダヤ人弾圧への対応、およびそうした第二次世界大戦の推移にともなうイスラエル建国に向かう動きにたいする反応、そしてそのなかでの個別の思想家たちの理論的な作業と交流について、或程度の見通しをつけることであった。前年度の実績報告書にも記したように、マルティン・ブーバー、ジュダー・マグネス、ハンナ・アーレント、レオ・シュトラウスらのこの時期に執筆されたものの読解に多くの時間が費やされたが、それ以外の関連する数多くの著述家たちの著作にもふれざるをえなかった。上記のM・ブーバー以下数名の思想家たちの思想的な交流は、ブーバーの書簡集から少なからざる手がかりをえることができたが、混乱する時代背景のなかで不明な点も少なくなかった。これについては、2006年にドイツを訪問し、いくつかの機関で調査にあたったが、少なくとも文献的な面からいえば、必ずしも大きな収穫があるとはいえなかった。 とはいえ、遅ればせながら、2007年3月にはハンナ・アーレントのこの時期のユダヤ関連の著述(ただし英語中心で、ドイツ語も英訳される)がまとまって出版されることになり・今後はこの書物を中心に、明確な方向性をもつ研究が可能になると思われる。
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