2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17653085
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀧川 哲夫 北海道大学, 大学院文学研究科, 教授 (30098503)
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Keywords | 実験ゲーム / 仮説検証 / メッセージの歪み / 交渉過程 / 単純化ポーカー |
Research Abstract |
本研究の目的は,対人交渉場面を仮説検証過程とみなす立場から,互いのメッセージが意図的な歪みを持ち得る基本課題を設定し,メッセージ情報の解釈基準を特定する手法を開発することである。そのため,メッセージ情報を扱うコンパクトな2人関係の推論課題の構築を試みた。このような共通基盤(ベンチマーク・プラットフォーム)の確立が実現することによって,交渉という特性を持った仮説検証過程を定性的かつ定量的に吟味することが可能になるであろう。そのポイントは,(1)2人相互関係の基本課題設定,(2)当該課題で考慮される仮説集合,選択肢,選択理由の範囲確定,(3)相互交渉実験のための実験制御技法の開発,という3点となる。 開発した実験課題は繰り返し型2人ゼロ和ゲーム(単純化ポーカー,SP : Simplified Poker)の変形手続きである。このゲームは親と子の立場が異なるプレーヤーで利得構造が異なり,一般には展開型として定義される。これまでの繰り返し型SPゲーム研究では親と子が固定され,ブラフ情報も一方通行であったが,今回の実験課題では毎回立場を入れ替える手続きを導入した。このことによって継時的に情報操作の立場が変わることになり,メッセージ交換において,より詳細な仮説検証過程の分析が可能となる。 本課題の実用可能性についての予備実験では,12組の実験参加者を得て,試行手続きのすべての段階において選択理由を記述する方法で24試行のゲームをおこなった。実験制御プログラムならびに装置の稼働については問題なく,試行系列を追った微視的変化すなわち,相互の仮説検証に基づく選択過程を分析することが可能であることが確認された。
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