2005 Fiscal Year Annual Research Report
酵母を用いた増殖定常期での生存率を規定する因子の解析と細胞長寿命化への展開
Project/Area Number |
17657056
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
饗場 浩文 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (60211687)
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Keywords | 分裂酵母 / 老化 / ストレス応答 / 微生物 |
Research Abstract |
1.先に申請者は、分裂酵母においてlcf1遺伝子を欠失すると定常期生存率が著しく低下することを見いだした。本年度は、lcf1の高発現株を作製し、定常期生存率に対する影響を調べた。pREP1,pREP41,pREP81の3種類の発現ベクターを用いて、lcf1遺伝子の発現レベルを変えて高発現させた。その結果、どの条件の高発現においても、野生株以上に、定常期生存率を維持することはできなかった。また最も高発現をした場合には、細胞生育が阻害されることを見いだした。 2.分裂酵母に存在するlcf1遺伝子のパラログ遺伝子(lcf2)について、解析を行った。lcf2欠失株を作製し、その細胞破砕液を用いて、オレイン酸、ミリスチン酸を基質に活性測定をしたところ、それぞれに対するlong chain fatty acyl-CoA synthetase活性は、野生株の60%、40%程度になった。従ってlcf2も、long chain fatty acyl-CoA synthetase活性を有することが明らかとなった。さらに、lcf2変異株も定常期生存率に影響することが示唆された。現在、lcf1とlcf2との2重破壊株の作製とその解析を進めている。 3.分裂酵母の定常期生存率が野生株に比べ高い変異株を取得し、解析を進めた。当該変異は劣性の1遺伝子変異であることを見いだした。さらに、KC1に対する感受性を示すことも明らかとなった。現在、この変異株の原因遺伝子を明らかにするため遺伝学的解析を進行している。
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