2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17659382
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古森 公浩 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40225587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 清人 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10298359)
小林 昌義 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (60329381)
貝淵 弘三 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00169377)
天野 睦紀 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 講師 (90304170)
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Keywords | Rho-kinase / eNOS |
Research Abstract |
(背景と目的)Rho/Rho-kinase pathwayは血管平滑筋細胞でのミオシン軽鎖の直接リン酸化とミオシン脱リン酸化酵素の不活性化を介して血管収縮を起こし、心血管系生理機能の調節に重要な役割を果たしていることが、近年の研究により明らかにされてきた。 一方、内皮細胞のeNOSはNOを合成し血管平滑筋を弛緩させる。両者のcross-talkについて、eNOS活性制御に重要な二つのリン酸化サイト(Thr495とSer1177)のうち、今までRho-kinaseの影響が明らかにされていないThr495に注目して我々は研究を行った。 (結果)in vitroの系では、活性型Rho-kinaseによりThr495がリン酸化されることを確認した。in vivoでも活性化型Rhoあるいは活性化型Rho-kinaseを発現させたCOS-7細胞の系にてThr495のリン酸化レベルの上昇を確認した。 また、培養血管内皮細胞をトロンビンで刺激した際のThr495のリン酸化レベルの経時的変化がRho-kinaseの活性レベルの推移と一致することを明らかにした。in vivoの実験では、細胞をRho-kinase阻害剤で処理することにより、Thr495のリン酸化レベルが著明に抑制されることも確認した。 (考察とまとめ)以上の実験結果から、Rho-kinaseがeNOSのThr495を直接リン酸化することが示された。eNOSはThr495のリン酸化により不活性化するため、我々の結果から、Rho-kinaseによりThr495が直接リン酸化を受けることでeNOS活性は抑制されると考えられる。我々の研究結果は、既に報告されているRho-kinase阻害剤の心血管系に対する治療効果の機序として、eNOS活性化・NO産生増強による血管内皮機能改善作用の関与を示唆する知見である。
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Research Products
(6 results)