2005 Fiscal Year Annual Research Report
吸収性生体材料と自家多血小板血漿を用いた椎間板再生法の確立
Project/Area Number |
17659476
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
三上 靖夫 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (80360030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 斉 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (00172883)
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Keywords | 多血小板血漿 / ゼラチンハイドロゲル粒子 / ドラッグデリバリーシステム / 椎間板再生法 |
Research Abstract |
日本白色家兎の髄核を一部吸引し、2週間飼育した椎間板変性モデルを作成した。 この変性モデルから自己血液を採取し、遠心操作を加えることにより、濃縮された血小板を含む多血小板血漿(PRP)を作成する技術を確立した。これを予め調整した血小板内の成長因子を結合可能なゼラチンハイドロゲル粒子に含浸させて変性椎間板内に投与し、投与後経時的に椎間板組織を摘出した。椎間板組織切片を作成し、HE染色、grading scoreによる評価、およびプロテオグリカンに対する免疫染色を行った。その結果、粒子のみ投与のコントロール群および穿刺のみのSham群では椎間板変性の著しい進行を認め、投与後8週では髄核細胞は完全に消失していたが、ゼラチンハイドロゲル粒子とPRPとを組み合わせて投与を行った群では投与後8週の時点で多数の髄核細胞が髄核内に存在し、線維輪の層状構造も保たれていた。また、grading scoreを用いた評価では、PRP投与群は他の群と比較して有意に変性が軽度であった。また、免疫染色では髄核および線維輪内層にプロテオグリカンの著しい濃染像を認めた。この結果から、ゼラチンハイドロゲル粒子から徐放された血小板内の成長因子が椎間板細胞に持続的に作用し、プロテオグリカンの産生を促進した結果、椎間板変性進行の抑制効果を認めたものと考えた。この研究成果は第46回日本組織細胞化学会学術集会(平成17年10月1-2日、京都)、第20回日本整形外科学会基礎学術集会(平成17年10月20-21日、伊勢)、52nd Annual Meeting of the Orthopaedic Research Society (March 19-22,2006,Chicago)および、第111回日本解剖学会総会・全国学術集会(平成13年3月29-31日、神奈川)にて発表を行い、椎間板変性に対する新しい治療法として注目を集めた。
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