2006 Fiscal Year Annual Research Report
様相性・数量性の観点から行う古代日本語における副助詞の研究
Project/Area Number |
17720101
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
小柳 智一 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (80380377)
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Keywords | 日本語 / 文法 / 副助詞 / 訳語 / 複数 / 国語学史 / 様相 / 程度 |
Research Abstract |
本年度は研究期間の2年目に当たる。昨年度行った研究を受けて,以下の3つを計画し実施した。 1 上代の複数表現に関する昨年度の研究(口頭発表)を完成し,論文にする。 2 『あゆひ抄』に関する昨年度の研究(口頭発表)の基礎固めとして,『あゆひ抄』の訳し方に関する研究を行う。 3 様相性・数量性と副助詞の程度用法について研究を行う。 実施結果は次の通りである。 1について。昨年度行った研究をさらに厳密にし,論文「上代の複数-接尾語ラを中心に-」(『萬葉』196,2006年12月)として公刊した。 2について。古典文を訳出する際の問題点として,従来取り上げられてこなかった「訳語の位置」に着目した。中でも,原語の位置を変えて訳す「移動訳」を問題にし,『あゆひ抄』がどのような場合に移動訳を行っているかを観察した。その結果は,論文「訳語の位置-『あゆひ抄』の移動訳-」(『福岡教育大学紀要』56・第1分冊,2007年2月)として公刊した。 3について。バカリとマデの程度用法を数量性と様相性の観点から分析し,共時的・体系的な記述を行い,また,通時的・史的な展開を明らかにした。その結果は未公刊である(来年度公刊予定)。 以上に加え,計画にはなかったが,上記1に関する研究を新たに行った。 4 口頭発表「複数と例示-接尾語ラ追考-」国語語彙史研究会第83回(2006年9月,大阪成蹊短期大学)
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Research Products
(2 results)