2006 Fiscal Year Annual Research Report
底質の粒度分布と潮流が人工海浜に与える影響の解明及びそのモデル化
Project/Area Number |
17760411
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
柿木 哲哉 神戸市立工業高等専門学校, 都市工学科, 助教授 (50353298)
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Keywords | 海浜変形 / 人工海浜 / 計測手法 / 現地観測 |
Research Abstract |
多くの砂浜海岸は侵食により消失しつつあり,今後も地球温暖化による平均海面上昇の影響で加速することが予想される.これまでも様々な侵食対策工が提案されているが,本研究では養浜工法に着目した.その理由は,養浜工法は出来るだけ自然に近い機構と状態で侵食を防止でき,近隣海浜に与える影響も剛な構造物を設置するより遥かに小さいことである.しかし,これも現状では万能ではなく,次の様な問題がある.(1)養浜により元々存在しない粒径の砂を運び込むことになるが,その影響の程度も今のところよく分かっていない,(2)養浜を行う場合,外力として波浪を考えた設計が行われる.しかし,実際には潮流の卓越する海域にも養浜はなされており,かつ,その影響についても研究例が無いためよく分かっていない.そこで本研究では(1)混合粒径の底質移動メカニズム解明およびその過程のモデル化,(2)海流や潮流が人工海浜に与える影響の解明および各モデルの精度検証,の2点を研究目的とする.この2点について,これまでの経過については以下の通りである. (1)浮遊砂濃度並びに浮遊砂粒度分布を定量的に明らかにするため,画像解析による浮遊砂の粒度分布を同時計測できる濃度計測手法を開発し、それらを計測した.具体的には画像解析領域中の粒子そのものを走査し、その位置とサイズを計測することを試みた。現状では比較的良い精度で浮遊砂の濃度と粒度の空間分布を計測できるところまで開発を進めた.(2)現地観測は地形測量・潮流・波浪の観測を実施した.その結果,上げ潮時と下げ潮時で潮流の大きさは異なり,海浜に作用する流れは周期的ではあるが非対称に変化していた.そのため,観測期間中の舞子海岸の海浜地形は波浪の影響が強くなければ,侵食や堆積などの地形変化は時間的に1方向に進行していた.また,現地観測と数値解析の結果,明石海峡内の潮位は1日1回潮と2回潮が混在し,潮流変動は2回潮成分のみであることがわかったが,海峡内の水面の空間勾配を数値解析により調べたところ,1日2回潮で変動していることがわかった.
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