2005 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚疾患におけるchitinase3 like-1の分子病態解析
Project/Area Number |
17790793
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
松木 正人 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (50399151)
|
Keywords | 皮膚疾患 / 疾患モデル / 表皮再構築 / 遺伝子発現 / Chitinase 3 like-1 |
Research Abstract |
Chitinase 3 like-1(CHI3L1)(Cartilage glycoprotein-39;GP-39,HCgp-39)(YKL-40)は培養軟骨細胞より分泌される糖蛋白として同定され、近年、関節リウマチや変形性関節症、さらには大腸癌や乳癌、肝硬変、潰瘍性大腸炎の患者血清中にも存在することが判明し、疾患活動性との関連が示唆されている。申請者らはトランスグルタミナーゼ1遺伝子(TGM1)を欠損する先天性魚鱗癬モデルマウス皮膚で発現する遺伝子のプロフィールをcDNAマイクロアレイを用いて解析し、強く発現誘導される遺伝子の一つとしてCHI3L1遺伝子を検出した。さらに、胎生19.5日のTGM1ノックアウトマウスおよびその同腹の対照マウスから表皮を単離しRNAを調製後、それを鋳型としてcDNAを作製し、CHI3L1のTaqMan Real-time RT-PCRを実施した。その結果、CHI3L1遺伝子の著しい発現誘導が定量的に確認でき、マイクロアレイによるスクリーニングの結果を裏付ける証拠を得ることができた。現在、TGM1ノックアウトマウス皮膚組織におけるCHI3L1遺伝子の発現と局在についてin situ hybridizationを用いて解析中である。一方で、この遺伝子およびその産物が皮膚疾患の病態に関連する可能性にも着目し研究を進めた。まず、各種炎症性皮膚疾患の病態におけるCHI3L1の関与を調べるために、血清中のCHI3L1をELISAによって検討した。その結果、皮膚炎を伴う種々の病態でCHI3L1が増加することが判明した。これらの研究結果を踏まえ、次年度には、皮膚炎の程度や関節炎などの合併症と血清CHI3L1値の変動について詳細に検討する予定である。
|