2005 Fiscal Year Annual Research Report
国際的ビジネス紛争の法的解決の実効性を高めるための新たなフレームワークの構築
Project/Area Number |
17GS0102
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河野 正憲 名古屋大学, 大学院法学研究科, 教授 (00047739)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 雅信 名古屋大学, 大学院法学研究科, 教授 (70009819)
和田 肇 名古屋大学, 大学院法学研究科, 教授 (30158703)
|
Keywords | 国際ビジネス訴訟 / 比較法 / 法情報の共有 / 民事訴訟のハーモナイゼイション / 訴訟制度の歴史的研究 |
Research Abstract |
1 目的国際的ビジネス訴訟の実効性を確保するためには、民事訴訟手続のハーモナイゼイションと共に各国の訴訟や実体法制度の法情報の共有が不可欠である。本研究は、後者の目的のために各国の専門家の人的ネットワークを形成し、様々な問題を恒常的に議論し理解を深める。具体的には三層的な国際共同研究を進める。 (1)今日国際ビジネス訴訟で最も問題の事項を理論的・実際的観点から研究・理解 (2)各国民訴手続や実体法制度の情報の共有 (3)各国訴訟制度を支える司法制度とその歴史的背景の研究 研究を通じて新たな国際訴訟理論や比較法の研究の創成をめざすが、本年度は研究体制確立に重点を置いた。 2 研究体制本研究の中心となる名古屋大学研究センターを設け研究体制が確立した。ヨーロッパでの研究拠点として、フライブルク大学の協力でドイツ・フライブルク市に研究所を設け、名古屋大学からも助教授を配置した。 3 研究内容2006年2月18日19日に第一回国際シンポジウムを名古屋で開催し、「国際的民事訴訟の現状」につき、(1)国際的保全処分:アンドリュース教授(ケンブリッジ大学)・河野(名古屋大学)、(2)国際的クラスアクション:マリー教授(ハーバード大学)・シュツルナー教授(フライブルク大学)、(3)外国での証拠収集:マリー教授・トロッカー教授(フローレンス大学)、(4)外国判決の失権効;シュツルナー教授・河野、につき討論し極めて高度の議論ができた。主報告の他にクリストファロ教授(パドヴァ大学)、ケンギィエル教授(アンドルシ大学)、エルボ教授(ヘルシンキ大学)のコメントも得た。成果はドイツ及びわが国で近日中に出版の予定。なおこれらのメンバーによりプロジェクトの研究集会を持ち、今後の緊密な協力体制を確立した。
|