2009 Fiscal Year Annual Research Report
国際的ビジネス紛争の法的解決の実効性を高めるための新たなフレームワークの構築
Project/Area Number |
17GS0102
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河野 正憲 Nagoya University, 大学院・法学研究科, 特任教授 (00047739)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 肇 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30158703)
|
Keywords | 国際ビジネス訴訟 / 比較法 / 法情報の共有 / 民事訴訟のハーモナイゼーション / 訴訟制度の歴史的研究 / 国際研究者交流 / 多国籍 |
Research Abstract |
国際シンポジウムの開催:国際ビジネス紛争の現況に関する国際シンポジウムを2009年11月に名古屋で開催した。主要テーマとしては知的財産権に関する民事訴訟手続を取り上げた。今日のビジネス活動で知的財産権がもつ意義は極めて高く、またそれに関する紛争もビジネス活動の一環として位置付けられ、各国で特別の訴訟形態が採用されている。このシンポジウムでは、アメリカ、ヨーロッパ及び日本の現状を報告し討論することができた。また、2010年3月には、フライブルクに設置している研究所の閉鎖記念を兼ねて、最近変化の著しいヨーロッパにおける変化とビジネス訴訟への関連を討論する研究集会「Changing Europe, Changing Litigation?」を開催した。ここでは基調報告を基礎に、特に最近の裁判外紛争処理、特にメディエイションの著しい展開が極めて活発に論じられた。 研究成果の公表:これまでになされた国際シンポジウムの成果の一部が、Sturner & Kawano ed, Current Topics of International Litigation, Mohr Siebeck, 2009として公刊された。 また、国際シンポジウムと並行してなされた各国司法制度の比較法的考察の成果として、フィンランド、スペイン、ハンガリー、イギリス(第2冊目、契約法の比較的詳細な概説を含む)、ギリシャ、フランス及びイタリアの民事司法に関する英文の書物が慈学社出版から公刊された。既に公表されているイギリスの民事司法に関する第1巻と共に、名古屋大学比較民事司法研究叢書は合計8冊が出版された。これらは、主としてこれまで十分な情報が得られていなかった国々の民事司法に関して、信頼に値する最新の情報を提供することを目的としたものであり、比較法研究の有力な素材となろう。とくに、法のグローバル化の中で各国の司法制度に関する情報を収集し提供することは極めて重要である。これらは各国の専門家と行った共同研究の成果として国際的人的ネットワークによる共通の枠組みに基づいた研究として、既にわが国だけでなく諸外国でも高く評価されるに至っている。
|
Research Products
(13 results)