2006 Fiscal Year Annual Research Report
プラナリアの再生組織構築を決定する位置情報システムの解明
Project/Area Number |
17GS0318
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阿形 清和 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (70167831)
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Keywords | プラナリア / 脳 / 器官形成 / 再生 / 幹細胞 / 位置情報 |
Research Abstract |
本年度は、器官形成に必要な位置情報の解明とそれに応答する幹細胞の同定の両方について大きな進展が得られた。 1.先年度までにHiCEP法で新規に同定された候補遺伝子についてRNAi法で機能解析を進めた。その結果、nou-darake遺伝子のRNAiによって、nou-darakeファミリー遺伝子の発現領域が後方にシフトすることが明らかとなり、nou-darakeファミリー遺伝子が体の前後軸の位置情報形成の遺伝子ネットワークを形成していることを明らかにした。また、Patchedホモノグ遺伝子をRNAiすると本来頭部が再生されるところに、尾部が再生してくることを見出し、Shhシグナルが体の極性を決めてる遺伝子ネットワークを形成していることを発見した。 2.一方、どの状態の幹細胞がどのような位置情報シグナルに反応するのかについて明らかにするために、幹細胞の時間系列に応じた変化についても詳細な解析を行った。FACSで集めた、幹細胞分画で特異的に発現する遺伝子をHiCEP法で網羅的にクローニングし、それらの詳細な発現解析を行った。その結果、今まで、プラナリアのneoblastとして定義されていた幹細胞は少なくとも3つの状態に分子レベルで分類できることが判明した。 3.マウスの全能性幹細胞もプラナリア同様に位置情報によって制御されていることを証明することに成功した。マウスES細胞をニワトリ胚の種々発生段階の胚に移植したところ、いわゆる胞胚の時期に移植した場合にのみ位置情報に反応して正常発生に参加することを発見した。
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Research Products
(4 results)