2017 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of functional roles of ongoing brain activity in cognition and consciousness
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17H00891
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
中原 潔 高知工科大学, 情報学群, 教授 (50372363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 功 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60282620)
天野 薫 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室, 主任研究員 (70509976)
地村 弘二 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (80431766)
青木 隆太 高知工科大学, フューチャー・デザイン研究所, 講師 (50751103)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大規模脳ネットワーク / 陳述記憶 / 記憶の記銘 / 記憶の貯蔵 / 記憶の想起 |
Outline of Annual Research Achievements |
エピソード記憶の記銘において、脳全体に分布する244個の関心領域(ROI)間の大規模脳ネットワークの結合状態をfMRIを用いて解析した。記銘成績の高い時間帯(H)と低い時間帯(L)の間で大規模脳ネットワークの結合状態を比較した。その結果、H時間帯とL時間帯との間に結合状態の有意な差を見出した。H時間帯では脳領域間の遠距離の機能的結合が高まっていた。それに対してL時間帯では、近傍の脳領域間の機能的結合が高まっていた。この結果をより定量的に解析するために、グラフ理論に基づく解析を行った。 グラフ理論におけるネットワーク全体の結合状態の効率を表す指標であるglobal efficiency (Eg)を比較したところ、H時間帯はL時間帯と比較してEgが統計的有意に高いことが示された。 個々の機能的な脳領域間のネットワーク結合を見ていくと、H時間帯ではL時間帯と比較して、デフォルトモード、視覚領野、サリエンシー、皮質下領域の各サブネットワークと、その他のサブネットワーク間の結合が高まっていた。本研究結果はeLife誌に論文発表された。 他にfMRIと機械学習によるmulti-voxel pattern analysis (MVPA)を用いた共同研究では、日本人被験者において扁桃体の活動パターンが外集団(韓国人)に対する潜在的なprejudiceを表象することを見出した。本研究結果はNeuroimage誌に論文発表された。 また共同研究として、ラットにおける皮質脳波(ECoG)記録と光遺伝学による刺激を用い、刺激によって誘導された局所フィールド電位(LFP)の時間空間的な伝播様式を明らかにした。本研究はScientific Reports誌に論文発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サルECoG実験の進捗が遅れている一方、ヒトfMRI実験については当初の研究目標の一つが達成され、論文掲載に至った。同様に共同研究一件についても論文発表に至った。以上を総合的に判断し、概ね順調に進展しているものと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトfMRI実験に関して当初の研究目標の一つが達成されたので、2019年度より新規研究プロジェクトを開始する。具体的には、エピソード記憶が脳内どのように表象されているかを探る実験デザインを複数考案したので、これらのプロジェクトを進める。 サルECoG実験に関しては、電極手術に続けて失敗し進捗が遅れているため、実験実施を加速したい。
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Research Products
(5 results)