2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of functional roles of ongoing brain activity in cognition and consciousness
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17H00891
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
中原 潔 高知工科大学, 情報学群, 教授 (50372363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 隆太 首都大学東京, 人文科学研究科, 特任准教授 (50751103)
長谷川 功 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60282620)
地村 弘二 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (80431766)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 長期記憶 / 遠隔記憶 / 近時記憶 / 記憶痕跡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトの前半において、エピソード記憶の記銘成績と脳全体のネットワークがどのように時間的に変化するか、その関係を明らかにするfMRI研究を行った。グラフ解析の結果、エピソード記憶の記銘成績が高いとき、脳の特定領域のネットワークの統合(integration)が高まることが明らかとなった。この研究結果はeLife誌に論文発表された。 本研究プロジェクトの後半では、10年程度以前に獲得された遠隔記憶が、脳のどの領域に貯蔵されているかを調べる研究を進めている。 長期記憶の記銘においては、海馬やその周辺の皮質領域が重要な役割を担うことがよく知られている。記銘された記憶は、時間をかけて次第に大脳皮質連合野に転送され、長期記憶として貯蔵されると考えられている。しかしながらヒトにおいて連合野のどの領域に長期記憶が貯蔵されるのか不明な点が多い。 本研究では、10年程度以前に記銘され、既に長期記憶として定着したと考えられる遠隔記憶と、ごく最近に記銘された近時記憶の脳内表現をfMRIを使ってデコードし比較する実験を行い、遠隔記憶と近時記憶のそれぞれがヒトの脳のどの場所に貯蔵されているかを明らかにすることを目指している。 現在、目標被験者数30に対し、約半数の被験者において実験を完了している。今後、実験結果の解析を開始するとともに、残り約半数の被験者における実験を完了させる。 この他、共同研究として、外集団への偏見が脳の扁桃体にどのように表現されているか、また、社会的葛藤と前頭葉内側部の脳活動との連関を明らかにする社会心理学的fMRI研究を行い、2報の論文発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
10年程度以前に記銘され、かつ被験者に共通の遠隔記憶と、最近獲得された記憶を、統制された実験としてデザインすることが困難であったものの、現在目標の半数程度の被験者において実験を完了していることによる。
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Strategy for Future Research Activity |
残り約半数の被験者において実験を完了させ、解析、論文発表へと進む。
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Research Products
(2 results)