2017 Fiscal Year Annual Research Report
地理的マルチレベル現象の解明に向けた基盤的データの構築
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17H00947
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
埴淵 知哉 中京大学, 国際教養学部, 教授 (40460589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村中 亮夫 北海学園大学, 人文学部, 准教授 (10434713)
矢部 直人 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (10534068)
中谷 友樹 立命館大学, 文学部, 教授 (20298722)
保田 時男 関西大学, 社会学部, 教授 (70388388)
山内 昌和 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (90415828)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マルチレベルデータ / インターネット調査 / 回収率 / 国勢調査 / 社会調査法 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である2017年度は、地理的マルチレベルデータの構築に向けた基礎的作業として、回収率などの調査誤差に関する基礎研究と、次年度に予定している予備調査の設計を進めた。基礎研究については、継続的に取り組んできた国勢調査小地域集計データにおける「不詳」の地域差の把握を進めた。「不詳」の発生は都市部に偏るとともに、市区町村という単位でのまとまりを有しており、現象の地理的側面を把握する際に意図せず疑似的な地域差や地域相関を観察してしまう可能性が指摘された。また、国内外におけるインターネット調査や、新たな情報通信技術を用いた調査法の発展に関する文献調査を進めるとともに、クラウドソーシングを用いた試作的なアンケート調査や、国勢調査に対する意識および住所回答にかかわるプライバシー意識を尋ねるインターネット調査を実施した。そして次年度以降の予備調査・本調査に向けての調査アイデアを検討するために「インターネットリサーチの学術利用に関する研究会」を開催し、調査会社の担当者と研究者間での幅広い意見交換をおこなった。学術利用にも多く利用されるようになった標準的なインターネット調査が抱える課題を共有するとともに、標本の代表性の向上や位置情報利用に関する新たな調査法の可能性を検討した。また、共同研究チームのこれまでの研究成果を取りまとめ、地理的マルチレベルデータ構築が直面する課題と可能性を共有するために、地域統計のデータ収集法に関する書籍を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに基礎研究および次年度以降の調査設計が進んでおり、研究会の開催や、研究成果としての論文や書籍の出版も順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、2018年度に予備調査、2020年度に本調査を予定しており、それに向けて着実に課題をクリアしていく必要がある。今後はまず、収集済みのデータに基づく基礎研究を進めるとともに、調査内容の計画と、データ公開に向けた準備を段階的に進めていく。現時点では研究は順調に進んでいるものの、インターネット調査については、スマートフォンの普及のような調査実施にかかわる環境の変化が起こり得るため、様々な調査オプションを継続的に検討していく予定である。
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Research Products
(6 results)