2019 Fiscal Year Annual Research Report
地理的マルチレベル現象の解明に向けた基盤的データの構築
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17H00947
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
埴淵 知哉 中京大学, 国際教養学部, 教授 (40460589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村中 亮夫 立命館大学, 文学部, 准教授 (10434713)
矢部 直人 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (10534068)
中谷 友樹 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (20298722)
保田 時男 関西大学, 社会学部, 教授 (70388388)
山内 昌和 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (90415828)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マルチレベルデータ / インターネット調査 / 回収率 / 国勢調査 / 社会調査法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は2020年度に予定している本調査に向けた準備期間という位置づけであり、これまでに二回実施した予備的なインターネット調査のデータ分析と、その結果を踏まえた調査デザイン(対象地域、配信方法など)と設問数・設問内容などの検討を進めた。分析面では、2019年に東京都心部で実施したインターネット調査データと、文京区を対象に実施した仮想的な系統的社会観察(virtual audit)の地域データを結合し、地理的マルチレベルデータの構築・分析をおこなった。結果として、地理的に高い密度でのインターネット調査標本回収と、系統的な街路景観の観察・測定を広域化するという新たな方法の有用性が確認され、本調査に際してもこの成果を踏まえた調査デザインを検討することとなった。その他、複数の収集済みデータを利用した地理的マルチレベル分析の結果を論文化し、この方法の多分野での利用可能性を確認した。 また、2019年4月から2020年2月まで、米国ポートランド州立大学において国際共同研究を実施した。これは、本課題を基課題とする国際共同研究加速基金によるものである。地理的マルチレベルデータの質的な拡張を意図した系統的社会観察の応用に取り組み、街路景観評価における評価者間の信頼性に関する国際比較や、ポートランド市全域を対象とした都市景観変化の測定を実施し、いずれもその有用性を確認した。これらの研究成果は、本研究課題における国内での地理的マルチレベルデータ構築に向けた計画に随時還元され、具体的には上記のような研究成果に結び付いている。2020年度は、これらの基礎研究の成果を受けて、大規模なインターネット調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年秋の本調査実施に向けて、調査設計や設問案の検討は順調に進んでいる。過去二回実施した予備的な調査データの分析によって、本調査の対象とすべき地域および回収数や、必須の設問などの絞り込みも進んでいる。また、国際共同研究加速基金による在外研究を実施し、本課題を国際比較を含む研究テーマへと発展させることもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年は、本研究課題における本調査の実施年にあたる。これまでの三年間にわたって準備を進めており、大規模なインターネット調査(および並行して郵送調査)を実施する予定である。また、個票データに結合する地域データについても継続して収集・作成を進める。現時点で問題点になりうるのは、新型コロナ感染症の拡大による影響である。本調査の重要な調査項目として国勢調査に対する意識や回答行動を考えているが、国勢調査が予定通り今秋に実施されない場合には本調査の実施時期の見直し、もしくは調査項目からの除外を検討する。
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Research Products
(16 results)