2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H00980
|
Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
西條 辰義 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (20205628)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 裕之 大阪大学, 工学研究科, 講師 (00638512)
原 圭史郎 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (30393036)
小谷 浩示 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (80422583)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | フューチャー・デザイン / パースト・デザイン / 持続可能性 / 総合計画 / 環境基本計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験研究においては、パースト・デザインの重要性を認識しつつあり、現世代が過去のイベントに対し、何らかの評価をすることが将来の視点から現在を見る際に有効であるかもしれないという想定のもと、森林チームが、一般市民を用いて実験研究を開始している。ケースメソッドを用い、高知の森林の歴史等を被験者に知らせ、5つの政策オプションを提示したところ、現代から将来を考える人々は森林の最低限の手入れを選ぶ一方、過去の新聞の記事への評価をさせた人々は林道整備を選んでいる。 前年に引き続き、水チームは、ホーチミン市で行ったワークショップ(WS)で得られたデータの統計学的解析と論文化を進めている。特に、将来世代視点に立った時の水環境問題の緊急度の認識に生じる変化は、回答者が将来の社会を楽観的に描くか悲観的に描くかに依存して異なることが示唆されている。 岩手県矢巾町における実践チームでは、第7次後期総合計画の策定にフューチャー・デザイン(FD)を応用するための枠組みづくりを役場関係者との連携のもとで進めている。さらに、大阪府吹田市の実践チームにおいては、第3次環境基本計画の策定にFDを応用すべく、住民参加によるWSを1度実施している。 大沼チームにおいては、FDを活用したWSを実施し、業種や属性と議論の傾向の関係を検証している。WS参加者については、公務員および公的機関の職員と観光業従事者の2つのグループで実施し、集団同一視尺度、多次元共感度尺度、社会的価値志向性の3点から分析を行っている。業種における大きな違いは見られなかったが、WS前後で社会的価値志向性では利他性が高くなる傾向にある。また、集団同一視尺度と多次元共感度尺度を用いて参加者を分類し、傾聴力や第三者的な思考力の高い人が仮想将来世代になった際に、発話数が多い傾向にあることを見いだしている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
実験、実践共に順調に推移している。字数のため、概要では書かなかったものの、fMRI実験のデザインが完了し、予備実験を開始している。また、バングラデシュにおいても遺伝子解析の準備をほぼ整えている。さらには、京都府、京都府宇治市、京都府長岡京市などでもフューチャー・デザインを応用した実践が始まっている。次年度以降、これらの実験・実践の成果が期待できるのではないのか。
|
Strategy for Future Research Activity |
世代間持続可能性ジレンマゲームにおいては、一人のみが仮想将来人の場合は、ダッカではその効果を検証することができなかった。そのため、今年度は、新たなメカニズムのデザインを完了し、後はそれを実施するところまで追い込んでいる。一方で、ネパールのカトマンズにおいても、効果なしという結果を得ている。こちらでも新たなメカニズムのデザインが完了している。次年度はこれらのメカニズムの性能の検証が待ち受けている。また、fMRI実験や遺伝子解析も次年度は本格的に進めることが可能となっている。 実験、実践において、将来から現代をみるためにどのような手法を用いたらよいのかについて研究を開始している。たとえば、上手に仮想将来人になった人々の経験を伝えるための手段として、「紙芝居」的なものを準備している。この効果の検証も次年度以降の大きな課題である。 実践においては、矢巾町の総合計画、吹田市の環境基本計画という市町の行政の根幹に関わる事案が課題となっている。被験者実験やフィールド実験の成果を実践の場で試す準備が着々と整っている。さらには、理由の項で述べた新たな市町との実践が待ち受けている。 次年度は本研究の一つのピークとなるのではないのかと予想している。
|
Research Products
(29 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Future Design2018
Author(s)
Tatsuyoshi Saijo
Organizer
Future Earth Philippines Program Launch meeting in Manila, Philippines
Int'l Joint Research / Invited
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-