2017 Fiscal Year Annual Research Report
Panel analysis of life and work
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17H00991
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
小塩 隆士 一橋大学, 経済研究所, 教授 (50268132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 能宏 一橋大学, 経済研究所, 教授 (30224611)
稲垣 誠一 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 教授 (30526380)
神林 龍 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40326004)
臼井 恵美子 一橋大学, 経済研究所, 准教授 (50467263)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 主観的厚生 / 引退 / 貧困 / 就業 / 子育て |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大規模パネル調査である「くらしと仕事に関するパネル調査」(LOSEF)の第4回調査を実施し、「くらしと仕事」に関するパネル分析を行い、その結果に基づいて社会的厚生の向上につながる効果的な政策提言を行うことを目的とする。 初年度である平成29年度においては、全体の研究方針を固めたうえで、過去3回のLOSEFの調査結果や関連するパネル調査を解析し、論文執筆・投稿、研究会の開催を進めてきた。具体的には,当初の研究目的に沿って、出産・子育ての行動分析、主観的厚生の変動要因、就業行動の動学的メカニズム、貧困リスクの発生要因、引退・介護のライフスタイル・健康への影響等に関する実証分析を進めてきた。 そのうち、論文の形として刊行するに至った代表的な研究成果としては、①LOSEFに基づく、母乳による子育てと親の就業行動との関連性に関する分析、②「中高年者縦断調査」に基づく、引退と健康・健康行動との関係や、親の介護が介護者の就業行動やメンタルヘルスに及ぼす影響に関する分析、③「労働者コホート調査」(J-HOPE)に基づく、ワーク・ライフ・バランスと雇用者のメンタルヘルスとの関係に関する分析、などが挙げられる。こうした研究成果の一部は各種国際会議のほか、国立大学附置研究所・センター長会議第三部会シンポジウム(2017年10月)でも報告された。さらに、LOSEFに関しては、平成29年2月から、同調査のデータベース提供を一橋大学経済研究所のウェブサイトから順次進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LOSEFや「中高年者縦断調査」などその他の各種パネルデータを用いて、内外の学術雑誌に11本の査読付き論文を刊行することができた。そのうち、インパクト・ファクターが3を超えるものが1本、2台のものが5本あり、国際的に一定の評価を得られている。そのほか、国際学会等でも研究成果を積極的に報告することができた。さらに、以上の研究から得られた知見は、平成30年度に実施予定のLOSEF第4回調査の質問項目の見直しや分析課題の設定にも重要な示唆を与えるものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
第2年度の平成30年度においては、LOSEF第4回調査を実施する。調査に当たっては、過去3回の調査結果を用いた研究の経験を踏まえ、メンバーの意見を踏まえて質問項目の見直しを行う。調査は、調査会社に委託する形で実施する。研究内容としては、平成29年度に引き続き,①出産・子育て行動②引退・介護のライフスタイル・健康への影響③貧困リスクの動学分析に関する研究を進める。さらに、④社会経済的地位の親子間継承⑤主観的厚生の変動要因⑥就業行動の動学的メカニズム⑦生活保護受給世帯と非受給(一般)低所得世帯の比較、という新たな研究テーマについても取り組む。
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