2019 Fiscal Year Annual Research Report
International Research on Social Effects of Citizenship Education on Schools
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17H01030
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
池野 範男 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 教授 (10151309)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | シティズンシップ教育 / ストランド / 学校 / 教室研究 / 比較研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究のねらいは、シティズンシップ(市民性)教育には、どのような教育効果があるのか、それも社会的にもどのような効果があるのかを明らかにすることである。そのために、各国・地域の学校でいろいろな形で進められているシティズンシップ教育の教育効果を、①政治的リテラシー、②道徳的社会的責任、③地域 社会への関与、④多様性とアイデンティティの4つストランド(構成要素)にもとづき、14ケ国・地域の中学校事例調査をすることにしている。 2019年度も2017、2018年度の調査を踏まえ、質的研究の手法を用い、①政治的リテラシーと②道徳的社会的責任に焦点化し、学校・クラス研究を実施し、比較を試みた。 2019年5月には、2019年度のスケジュールを確認し、研究協力者の課題を確認した。5月から2月までに、国内、海外の研究協力者による各国・地域の学校調査を実施した。その成果にもとづき、9月に、国内研究協力者による、東京で、予備会議を開催し、国際会議を準備した。9月21日に、アメリカ、ドイツ、香港、日本の代表的な研究者を招聘し、政治的リテラシーと道徳的社会的責任を中心とした学校シティズンシップ教育調査に関する国際会議を実施した。2020年2月24日には、国内研究者による調査報告会議を開催し、本年度のまとめの方向性確認した。3月、本年度の研究のまとめをし、次年度の課題を明らかにしたが、2月よりコロナ問題により。予定していたアメリカ、オーストリア、英国の調査を中止し、2020年度に繰り越すことになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、14ケ国・地域を調査対象にして、各国・地域の学校シティズンシップ教育を調査し、それぞれの国・地域のシティズンシップ教育が4つのストランド(①政治的リテラシー、② 道徳的社会的責任、③地域社会への関与、④多様性とアイデンティティ)のうち、いずれ、あるいは複数のストランドを重視しているのか、あるいは、別の5つ目、6つ目のストランドを取り上げ、育成しようとしているのかを調べることを目的にしている。 2019年度は、2018年の研究結果を踏まえ、①政治的リテラシー、②道徳的社会的責任に焦点化して進めた。しかし、2020年2月3月のコロナ問題で、予定していた、国内の学校調査(たとえば、筑波大学附属小学校、お茶の水女子大学附属小学校)も、国外の調査(たとえば、米国、英国、オーストリア、韓国)も遂行できず、その結果、2019年度の調査は、半分程度にとどまった。 しかし、調査を進めた国内調査、海外調査の途中経過の中間報告を、代表者を含む共同研究者によって進めることができた。2020年度は2019年度の遅れを取り戻し、多様な教室、また生徒の実態などを配慮しながら、各国・地域の研究者と共同しながら、③地域社会への関与、④多様性とアイデンティティに目配りして、進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2つのことを方策と考えている。ひとつは、ビデオ会議(カンファレンス)の活用である。海外の研究者との共同調査・研究を見直し、当地の研究者による調査に依存しながら、Zoom、Skypeなどの映像と音声とを共有できるデバイスを活用し、当地に行かなくても、その内容を録画・録音してもらい、それをみて、ビデオ会議(カンファレンス)を開くことにより、調査の遅れを挽回する手立てとする。また、国内会議、国際会議も開催が難しいときは、このビデオ会議方式を活用する。 もう一つは、ペーパーづくりである。会議を通して、ペーパーを作り、各研究の報告=成果づくりをしてきた。この方式を積極的に活用し、各個別調査や研究のアウトプットを目に見える形にして、相互の批判が可能な形にし、より成果が明確にするようにする。
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Research Products
(6 results)