2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H01184
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水谷 泰久 大阪大学, 理学研究科, 教授 (60270469)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アロステリー / ラマン分光法 / タンパク質ダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質の機能は、分子内に含まれる複数の機能部位が互いに連動的に働くことによって生み出される。例えば、ガスセンサータンパク質では、ガス分子がタンパク質に結合すると、結合部位に構造変化が生じ、その変化が触媒部位の構造を変化させ酵素活性の制御がなされる。このような複数の機能部位が連動している性質はアロステリーとよばれるもので、そこではタンパク質の構造変化が本質的に重要な役割を果たす。 酸素依存的なリン酸化酵素FixLについて、酸素分子の感知に重要な構造変化を明らかにした。ヘムに結合した酸素分子の脱離に伴うタンパク質の構造ダイナミクスを調べ、二つのドメインが互いに連動することによって構造変化を効率的に伝えていることを見いだした。構造モチーフをもつ酸化還元センサータンパク質および光センサータンパク質とでドメイン交換した人工タンパク質を新たに作製して調べ、ドメイン間の連動性がセンサードメインを有するキナーゼタンパク質一般に共通して見られる性質であることを実証した。 光駆動イオン輸送タンパク質について、光受容に伴うイオン輸送に重要な構造変化を明らかにした。これらのタンパク質において、発色団は光受容部位であると同時に、輸送イオンと直接相互作用しイオン移動を駆動する部位である。本研究では、発色団と輸送イオンとの相互作用を、プロトン、塩化物イオン、ナトリウムイオンの3種の輸送タンパク質について比較した結果、発色団の構造変化により生じる電荷密度の変化がイオン移動を生み出すという共通原理があることがわかった。また、発色団とヘリックスの構造変化の連動性を観測し、3種の輸送タンパク質に共通する、発色団がヘリックスの動きを誘起するカップリング機構を明らかにした。 これらの成果は、機能は異なっていても、共通構造をもつタンパク質の連動性に共通した機構があることを示すものである。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Soft-chromophore featured liquid porphyrins and their utilization toward liquid-electret applications2019
Author(s)
Avijit Ghosh, Manabu Yoshida, Koji Suemori, Hiroaki Isago, Nagao Kobayashi, Yasuhisa Mizutani, Yuki Kurashige, Izuru Kawamura, Masami Nirei, Osamu Yamamuro, Tomohisa Takaya, Koichi Iwata, Akinori Saeki, Kazuhiko Nagura, Shinsuke Ishihara, and Takashi Nakanishi
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Journal Title
Nature Commun.
Volume: 10
Pages: 4210
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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