2017 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化プロセスによる生命機械融合ウェットロボティクスの構造制御と機能創発
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17H01254
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森島 圭祐 大阪大学, 工学研究科, 教授 (60359114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平塚 祐一 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (10431818)
新田 高洋 岐阜大学, 工学部, 准教授 (20402216)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ウェットロボティクス / マイクロロボット / 自己組織化 / 人工筋肉 / バイオアクチュエータ / 光造形 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、生命の根源であるタンパク質と生物の最小単位である細胞が共に運動機能を創発する際に自己集積する自己組織化プロセスに着目し、筋細胞が互いに融合分化し、サルコメアと呼ばれる収縮機構を精密に構築し、収縮能をもつ動的システムを作り出す細胞内部で起きているプロセスを人為的にin vitroで制御することを目指し、タンパク質や細胞が力学的機能を発現する組織を構築する現象の解明と、それを応用した階層的な運動システムの構築を目的とする。本研究は、MEMS、メカトロニクス、生物物理、タンパク質工学、シミュレーションの異分野融合研究チームを構成することで、ウェットロボティクスやバイオアクチュエータの設計ツールとなる基 盤技術を確立すること、及び自己組織化プロセスによる生体力学場形成のメカニズムを解明することを工学と生物学の両面からアプローチしていく。 1.人工筋肉の材料となるモータータンパク質の検討 まず、平塚らが既に検討中のキネシン-微小管モデルに加え、発生力の増加が見込めるミオシン-アクチンの実験系による収縮能をもつ人工サルコメア形成の設計指針及び検討とシミュレーションによるモデルの最適化を行った。キネシン複合体と微小管を大量に分散させた時、全体が収縮するような動きが得られる。初年度では、その仕組みの理論的解明のための基礎実験モデルを構築した。 2.人工筋肉の発生力計測システムの構築 既に平塚らが開発中のキネシン-微小管を用いた光応答性人工筋肉の力特性を計測するシステムを構築し、キネシン-微小管とは別の系である、ミオシン-アクチン系の見込まれる発生力に合わせて、センサの選定を行った。1で機能発現した人工サルコメアを作製したマイクロデバイスに装着させ、動作確認を行った。光応答性人工筋肉とMEMSデバイスとの融合による収縮力測定システムを購入したデジタルマイクロスコープを用いて構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究計画について、上述の通りの研究成果を挙げることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
光照射制御により自己組織化を誘発し、アクチュエータとしての力学的特性評価を行う。構造制御と運動機能創発のメカニズムの解明を目指して様々な条件検討を行う。また、そのメカニズムを応用したマイクロロボットやマイクロデバイスの設計試作を行う予定である。
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Research Products
(27 results)