2017 Fiscal Year Annual Research Report
高次に時空間制御した変調熱プラズマ法による高純度ナノ材料の革新的量産技術
Project/Area Number |
17H01256
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田中 康規 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (90303263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上杉 喜彦 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (90213339)
石島 達夫 金沢大学, サステナブルエネルギー研究センター, 教授 (00324450)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 熱プラズマ / ナノ粒子 / 量産化 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 高純度ナノ材料生成用の変調誘導熱プラズマ+間歇導入システムの設計・開発 Siナノワイヤ生成には水素導入が必要であるが,水素導入すると熱プラズマが極めて不安定性になる。これに対応するために,まず安定した真空ポンプ動作をさせるために新しく大型真空ポンプを導入した。さらに電源として安定したパワーを増強するために,今回はIGBTとMOSFETと用いた20 kW インバータ電源を2台導入することとした。2つのインバータ電源に三相電源を入力した。それぞれの電源のIGBTはPWM制御を行いコイル電流に任意波形変調機能をもたせている。この電源を一つの新しいプラズマトーチに電力を投入できるようにした。さらに,原料粉体を熱プラズマ変調に同期して大量投入するために,径の大きい高速電磁バルブを導入した。プラズマトーチについては新しく長手方向に長い石英管を採用し,熱プラズマを長手方向に長く生成して原料加熱時間を長く取れるように改良した。このトーチ下流側にクエンチングガスを径・軸方向に導入できるようフランジも新しく製作した。このクエンチングガスにも間歇同期ガス投入機能を設け,高速電磁バルブ導入と電子回路を設計した。 2. プラズマ点火実験とAl(Fe)+Ti, Si原料粒子・酸素投入時のプラズマ安定維持範囲の把握実験 導入したシステムによりプラズマ点火実験,整合調整,PLL制御調整を行い,高効率でプラズマに電力が投入されるように調整した。このプラズマにAl(Fe)+ Ti,Si原料をプラズマの変調に同期させて投入する試験を行った。この装置を用いてAr+O2, Ar+H2プラズマが安定維持できる条件を実験的に把握できた。 3.スペクトル観測用ICCDの導入 平成31年度に予定しているスペクトル観測を行うためのICCDを新しく導入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初1台の新たな電源を導入する予定であったが,20kWのRF電源2台を導入することで,熱プラズマを増強し,真空ポンプを導入することで熱プラズマの安定性を高められたため,熱プラズマの増強と安定性の向上の意味でほぼ計画通りとなっている。さらに原料の大量導入について様々に検討し,結局径の大きいバルブを導入することで,原料を大量に入れることを実現している。これについてはまだ目標の80%程度である。プラズマトーチについては新しく長手方向に長い石英管を採用し,熱プラズマを長手方向に長く生成して原料加熱時間を長く取れるように改良した。これにより加熱効率を高めることにした。このトーチ下流側にクエンチングガスを径・軸方向に導入できるようフランジも新しく製作した。これについては計画通りである。さらにこの装置で熱プラズマの維持実験を行い,安定維持条件を把握できた。これも計画通りである。また平成31年度に予定しているスペクトル観測を行うためのICCDを新しく導入した部分は計画を先取りしている。 以上から,平均的に概ね計画通りと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後,さらに熱プラズマの増強実験を行い,長さ方向に長い熱プラズマの優位性とその変調効果のナノ粒子に対する影響についても新たに検討していく予定である。装置の水冷能力も向上させる必要があり,その増強も行う予定である。一方すでにICCDを導入し動作確認をしており,熱プラズマ部のスペクトル観測を進める。これにより,原料の蒸発状況,前駆体の生成と輸送を把握していく。これら基礎的な現象を検討しながら,さらなるナノ粒子の大量生成手法の開発を進める。
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