2017 Fiscal Year Annual Research Report
少子高齢化社会に対応した子育て支援住環境システムの構築と実装に関する研究
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17H01309
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Research Institution | Kyoto University of Arts and Crafts |
Principal Investigator |
高田 光雄 京都美術工芸大学, 工芸学部, 教授 (30127097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 昌弘 京都大学, 工学研究科, 講師 (50714391)
三浦 研 京都大学, 工学研究科, 教授 (70311743)
檜谷 美恵子 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (60238318)
碓田 智子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70273000)
定行 まり子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (80235308)
山崎 陽菜 駒沢女子大学, 公私立大学の部局等, 助教 (30722722)
神吉 優美 (神吉優美) 奈良県立大学, 地域創造学部, 教授 (80426543)
中西 眞弓 神戸山手短期大学, その他部局等, 准教授 (70231470)
室崎 千重 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (60426541)
森重 幸子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 講師 (70774892)
北 順子 (宮野順子) 京都光華女子大学短期大学部, その他部局等, 講師 (30733711)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 子育て支援 / 公営住宅 / 住まい方 / 住戸改修 / 団地再生 / 細街路 / 住情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、①住宅・施設計画の視点、②団地再生・リノベーション、③既存都市環境、④住情報の4つの領域を設定し、研究を進めている。各領域のこれまでの研究成果の概要は以下の通りである。 ①子育て支援を企図して建設された公営住宅団地の住環境の実態を捉えるため2018年10月に全戸対象としたアンケート調査を実施した。子育て支援住環境としての団地の共用空間のあり方、住戸内の和室と続き間の活用の可能性について分析を行った。 ②樫原団地(京都市)を対象として、子育て支援住環境の具体的デザインを検討した。和の空間が子育てにおいて有効ではないかと考え、和の空間要素を持つ住戸改修を提案した。この提案では、住戸内外の繋がりや子どもの成長に伴なう可変性に配慮している。さらに、この提案に対するアンケート調査を実施し、評価と問題点を把握した。 ③歴史的市街地に多く存在する細街路は、子育て世帯にとって生活空間としての可能性や交通安全性に利点があると考え、細街路に居住する子育て世帯のケーススタディを行った。子育て世帯による路地空間利用の実態および、利用を可能とする条件を把握した。また、地域コミュニティのケーススタディとして地蔵盆の調査を実施した。 ④大阪府内及び京都市内の子育て世帯を中心に、アンケート調査、ヒアリング調査、住み方調査などを行い、子育て世帯の住宅選択行動と住み替え時の住環境選好、住情報ニーズ、居住移動の特徴を明らかにし、行政や不動産業者による子育て世帯向けの住情報支援の現状と課題を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各領域ごとのワーキングによって研究をすすめ、全体会議における情報交換および協議により調整を行っている。一部、予定していた住戸改修プロジェクトの実施が困難になっているが、代替の方法の検討により研究を推進している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、設定した4つの領域ごとに研究を推進する。各領域における推進方策は以下の通りである。 ①2018年に実施したアンケート調査の詳細な分析を進める。団地に併設される福祉施設が果たす役割、団地内の共用空間の領域意識などの分析を加えて、現住宅の評価を行い、公営住宅における子育て支援として組み込むべき整備について議論する。 ②当初計画では、2019年度に樫原団地における子育て住戸改修を実現・検証する予定であったが、所有者である京都市住宅供給公社の方針変更に伴い、実現が困難となっている。そのため、建築士が参加する設計実験WS等の代替の研究方法を行うことで、子育て支援住環境において有効なデザインを明らかにする予定である。 ③細街路に居住する子育て世帯を対象とする調査を継続するとともに、細街路に位置する長屋を子育て世帯向けに改修する実例を通じて、課題について実践的な検討を行う。また、地域コミュニティ運営の具体的な事例として、地蔵盆を対象とした調査を実施する。 ④実際に、子育て世帯に役に立つ住情報支援の体制づくりを目標に、子育て世帯を取り巻く社会の情勢やニーズを踏まえた、多様な住情報支援主体による情報提供の可能性について検討していく。
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