2017 Fiscal Year Annual Research Report
生後脳における新生ニューロンの移動・分化機構とその操作技術
Project/Area Number |
17H01392
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
澤本 和延 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90282350)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 再生医学 / 神経化学 / 脳・神経 / 脳神経疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
生後の脳において生まれるニューロンは、脳の恒常性維持・破綻や再生機構に関わっている。本課題では、近年特に大きな進展のあった部分に焦点を絞り、新生ニューロンが移動・停止する際の形態変化と成熟機構、再生過程における分化機構を解明することを目的とした。さらに細胞移動を促進する人工足場によって、機能的な再生を促進する基盤技術を開発することも試みた。 平成29年度に実施した研究により、以下の成果が得られた。(1) 移動・停止機構の解明:①正常脳において嗅球へ移動するニューロンと、脳梗塞モデルにおいて傷害部位へ移動するニューロンの形態を観察し、細胞間の接着構造や、血管等の足場との関係などの特徴を明らかにした。②ニューロンの移動が停止する際、細胞内の微小管ネットワークにどのような変化が生じるのかをライブイメージングと電子顕微鏡の両方を用いて解析し、移動停止のメカニズムを解明した。 (2)ニューロン分化・成熟機構の解明:マウス脳の嗅覚刺激に反応する部分における新生ニューロンの定着に関わるメカニズムを明らかにした。(3)再生機構解明と再生促進技術の開発:①新生仔マウスの脳傷害モデルにおいて、通常は胎生期にのみニューロンを産生する放射状グリア細胞が、生後においてもニューロン産生能力を維持し続けることを見出した。この放射状グリア細胞を標識し、性質を解析した。②マウス脳梗塞モデルにおいて再生するニューロンの分化について詳細に解析した。③人工的に作製した足場を脳内に埋入し、ニューロンやグリアの移動・再生と神経機能回復への効果を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ニューロンの移動メカニズムについて、特に細胞が停止する際の形態の変化と、その分子メカニズムの詳細が解明された。傷害後の細胞移動の足場の特徴が明らかになり、それを模倣する人工足場による再生促進にも成功した。これら実験が順調に進展し、翌年以降に計画していた実験も行う事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題で見出された移動するニューロンの特徴について、形態学的・細胞分子生物学的な方法を用いてさらに詳細に解析することによって、正常時と傷害後におけるニューロンの移動・再生のメカニズムを解明する。さらに、そのメカニズムを応用し、再生医療の基盤技術を開発する。
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Research Products
(37 results)
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[Presentation] PlexinD1は新生ニューロンの形態変化と移動停止を調節する2018
Author(s)
Sawada M, Ohno N, Kawaguchi M, Huang SH, Hikita T, Sakurai Y, Nguyen HB, Thai TQ, Ishido Y, Yoshida Y, Nakagawa H, Uemura A, Sawamoto K
Organizer
第11回神経発生討論会
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