2017 Fiscal Year Annual Research Report
Global landscape genomics of mangrove trees for conservation
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17H01414
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
梶田 忠 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (80301117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 貴也 神奈川大学, 理学部, 助教 (10636179)
津田 吉晃 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (40769270)
高山 浩司 ふじのくに地球環境史ミュージアム, 学芸課, 准教授 (60647478)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生物多様性保全 / 自然現象観測・予測 / ゲノム解析 / マングローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
■研究進捗管理: 6月に分担者・研究協力者全員が集まる研究打合せを実施して研究期間全体のスケジュールと本年度実施計画を決定した。7月には中国で海外の共同研究者と共にワークショップを実施して打合せを行うとともに、同時期に開催された国際植物学会議 XIX IBC 2017においてシンポジウムを開催して、海外の共同研究者と打合せを行った。 ■DNA解析実験: 南西諸島のマングローブ林で複数種を対象としたフィールドワークを行い、得られたサンプルについてDNA解析実験を行った。また、大西洋ー東太平洋地域のヤエヤマヒルギ属の集団サンプルについて、リシーケンシング解析を行った。DNA品質のチェックができたものから順次解析を行い、SNPデータを得た。マングローブ植物との比較のために、同様の分布域を持つマメ科の海流散布植物についてもDNA解析実験を行った。また、特に新大陸のマングローブ植物について、MIG-seq解析とRAD-seq解析によって集団の遺伝構造構造の推定を行った。 ■サンプル調整・入手: メキシコ、ブラジル、中国等の共同研究者から、リシーケンシング解析に必要なDNAサンプルを入手してDNA抽出と濃度調整を行ったが、実験解析に十分な品質のものを得ることが出来なかった。そこで、当年度直接経費のうち3,000千円を次年度に繰越した。次年度には主にメキシコから新たなサンプルを入手してDNA抽出・精製実験を行い、高品質のDNAサンプルを得た後、リシーケンシング解析に用いた。 ■研究発表: SonneratiaおよびXylocarpusの分布域内の地理的構造に関する研究論文2編を発表した。9月にドイツで開催されたIUCN Mangrove Specialist Groupのシンポジウムにおいて、主に本研究の計画と内容について発表した。また、3月の日本植物分類学会年次大会でも研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請時の計画の全ては採択された予算で実施することはできないので、予算額にあわせて計画調書で予定していた実験規模を、対象種、サンプル数、実験規模を調整することで縮小して研究実施計画を立てた。 年度内に琉球大学熱帯生物圏研究センター西表研究施設にて専任ポスドクを雇用するために公募を行ったが、適任者が見つからず、翌年度まで公募を継続することになった。この専任ポスドクが担当予定だった研究計画は、代表者・分担者が担当することと、研究補助のために技術補佐員(研究協力者)を雇用して補った。 本研究のためにマングローブ林構成種の複数種でゲノムリシーケンシングのための実験を実施したが、シーケンシング解析を予定していたサンプルの一部については、保存状態や保存期間等の問題があり、十分な品質のDNAを得ることができなかった。そこで、これらのサンプルについては、次年度に直接経費3,000千円(及び間接経費900千円)を繰り越して使用し、DNA精製実験をに改良を加えることと、一部のサンプルについてはサンプリングをやり直すことで対処した(なお、本報告書の記載時(翌年度)には繰り越し分を用いて、計画通りにゲノムリシーケンシングを実施することができた)。 新大陸のマングローブ植物の一部(Rhizophora属など)については十分な品質のDNAサンプルを準備できたため、予定していたリシーケンシング解析を実施し、年度内に結果を得た。一方、入手できるはずだったメキシコのサンプルについては、提供者の都合により、年度内に入手できなかった。 年度内に出版を予定していた研究論文のうち2報は発表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
■研究進捗管理: 6月頃に関東で分担者・研究協力者全員が集まる研究打合せを実施し、今後の研究計画について打ち合わせる。それ以外の時期はインターネットを介して進捗管理を行う。 ■サンプル調整・入手: すでに入手済のサンプルを引き続き精製・調整することで、リシーケンシング解析を行う。 都合により入手できなかった新大陸のマングローブ植物のサンプルを次年度中に入手し、リシーケンシング解析に用いる。また、その他の地域からも、サンプルを引き続き入手する。 ■DNA解析実験: 計画調書に記載したサンプリングスキームに基づいて、これまでに得られたデータを用いた景観ゲノミクス解析を進める。前年度にDNAの品質に問題があるため繰越しとなった実験分については、DNA精製を抽出方法などを改良した実験を行い、データを得る。琉球弧のサンプルについても、DNA解析実験を進める。 ■データ解析と研究発表: 年度内にデータの出たアメリカヒルギのシーケンシングデータについて、さらに景観遺伝学的研究を実施して、論文発表の準備を進める。また、マングローブ植物同様の分布域を持ち、比較対象とする海流散布植物についても、データ解析を進め、研究論文およぼ学会等での研究発表を行う。 ■交付決定された助成総額にあわせて、計画調書に記載していた事業計画の予算規模を調整して実施する。ポスドク研究員の公募を継続して行うが、場合によっては、物品費の割宛てを増やして研究計画を進める。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Vicariance, oceanic barriers and geographic distance drive contemporary genetic structure of widespread mangrove species Sonneratia alba in the Indo-West Pacific2017
Author(s)
A.K.S. Wee, J. X. H. Teo, J. L Chua, K. Takayama, T. Asakawa, S. H. Meenakshisundaram, Onrizal, B. Adjie, E. R. Ardli, S. Sungkaew, M. Suleiman, X. T. Nguyen, S. G Salmo III, O. B. Yllano, M N. Saleh, K. K. Soe, Y. Tateishi, Y. Watano, Y. Tsuda, T. Kajita, E. L Webb
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Journal Title
Forests
Volume: 8
Pages: 483-483
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Genetic structure and population demographic history of a widespread mangrove plant Xylocarpus granatum (Meliaceae) across the Indo - West Pacific region2017
Author(s)
Y. Tomizawa, Y. Tsuda, M. N. Saleh, A. K. S. Wee, Koji Takayama, T. Yamamoto, O. B. Yllano, S. G. Salmo III, S. Sungkaew, B. Adjie, E. R. Ardli, M. Suleiman, N. X. Tung, K. K. Soe, K. Kandasamy, T. Asakawa, Y. Watano, S. Baba, T. Kajita
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Journal Title
Forests
Volume: 8
Pages: 480-480
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] The integration and application of genetics in mangrove conservation2017
Author(s)
Alison K.S. Wee, Gustavo M. Mori, Aidan W. Short, Tianhui Yu, Catarina F. Lira-Medeiros, Juan Nunez-Farfan, Koji Takayama, Leanne Faulks, Suhua Shi, Yoshiaki Tsuda, Yoshihisa Suyama, Takashi Yamamoto, Takaya Iwasaki, Yukio Nagano, Zhengzhen Wang, Shin Watanabe, Tadashi Kajita
Organizer
XIX International Botanical Congress
Int'l Joint Research / Invited
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[Presentation] A multiple disciplinary approach to unveil the evolutionary history of New World Rhizophora2017
Author(s)
Gustavo Maruyama Mori, Takaya Iwasaki, Mariana Vargas, Stephanie Karenina Bajay, Koji Takayama, Yu Matsuki, Rafael Silva Oliveira, Yoshihisa Suyama, Anete Pereira De Souza, Suhua Shi, Maria Imaculada Zucchi, Tadashi Kajita
Organizer
XIX International Botanical Congress
Int'l Joint Research / Invited
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