2018 Fiscal Year Annual Research Report
Global landscape genomics of mangrove trees for conservation
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17H01414
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
梶田 忠 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (80301117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 貴也 神奈川大学, 理学部, 助教 (10636179)
津田 吉晃 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (40769270)
高山 浩司 京都大学, 理学研究科, 准教授 (60647478)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生物多様性保全 / 自然現象観測・予測 / ゲノム解析 / マングローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
■研究進捗管理: 10月に筑波大で分担者・研究協力者全員が集まる研究打合せを実施し、研究の進捗と今後の計画について打ち合わせた。それ以外の時期はインターネットを介して進捗管理を行った。 ■サンプル調整・入手: すでに入手済のサンプルを引き続き精製・調整することで、リシーケンシング解析を行った。前年度に入手できなかった新大陸のマングローブ植物のサンプルを入手するために、メキシコ自治大学においてサンプル収集を行った。前年度実施予定分も含め、リシーケンシング解析用のDNAサンプルを精製した。また、その他の地域からも、サンプルを引き続き入手した。 ■DNA解析実験: 計画調書に記載したサンプリングスキームに基づいて、これまでに取得したデータを用いた景観ゲノミクス解析を進めた。琉球弧のサンプルについても、DNA解析実験を進める。多検体・小規模のゲノム解析をすすめるために、次世代シーケンサであるiSeqを導入した。 ■データ解析と研究発表: 年度内にデータの出たアメリカヒルギのシーケンシングデータについて、さらに景観遺伝学的研究を実施して、論文発表の準備を進めた。また、ホウガンヒルギについてもリシーケンシングデータを用いた景観ゲノミクス解析を開始した。マングローブ植物同様の分布域を持ち、比較対象とする海流散布植物についても、データ解析を進め、研究論文およぼ学会等での研究発表を行った。 ■交付決定された助成総額にあわせて、計画調書に記載していた事業計画の予算規模を調整して実施した。ポスドク研究員の公募を継続して行ったが、応募が無かった。物品費の割宛てを増やして研究計画を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請時の計画の全ては採択された予算で実施することはできないので、予算額にあわせて計画調書で予定していた実験規模を、対象種、サンプル数、実験規模を調整することで縮小して研究実施計画を立てた。年度内に琉球大学熱帯生物圏研究センター西表研究施設にて専任ポスドクを雇用するために公募を行ったが、適任者が見つからず、翌年度まで公募を継続することになった。この専任ポスドクが担当予定だった研究計画は、代表者・分担者が担当することになり、研究補助のために技術補佐員(研究協力者)を雇用して補った。また、代表者と研究補助者が小規模のゲノム解析を簡便に実施できるように、次世代シーケンサであるiSeq100を導入した。前年度にDNAサンプルの品質の問題で実施できなかったリシーケンシング解析については、新たに精製したサンプルを用いて実験を実施し、解析を追えることができた。新大陸のマングローブ植物の一部(Avicennia属など)についてはメキシコ自治大学の共同研究者から十分な品質のDNAサンプルを得て、予定していたリシーケンシング解析を実施した。年度内に出版を予定していた研究論文のうち2報は発表できた(一報は報告書作成段階でin press)。
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Strategy for Future Research Activity |
■研究進捗管理: 6月に代表者の所属する琉球大学熱帯生物圏研究センター西表研究施設で、分担者及び研究協力者全員が集まる研究打合せ会議を実施し、進捗管理と今後の詳細計画を協議する。その後の進捗管理はインターネットを介して行う。 ■サンプル調整・入手: 前年度に引き続き入手済のDNAサンプルを精製することで、景観ゲノミクス解析のために必要なサンプルを調整する。また、昨年度にメキシコ自治大学の共同研究者から得たリシーケンシング解析用のサンプルの精製・解析を進めるとともに、日本国内、アジア太平洋地域および中南米地域から解析に必要なDNAサンプルを引き続き入手し、必要に応じて、現地調査も実施する。解析するサンプルの詳細および現地調査の内容については6月の研究打合せで決定する。 ■DNA解析実験: 新大陸(特にメキシコ)のマングローブ種について、リシーケンシング解析を継続実施する。 ■データ解析と研究発表:アメリカヒルギのリシーケンシングデータについては景観遺伝学的解析を完成させ、論文を発表をする。また、ホウガンヒルギその他のマングローブ植物、及び、比較対象のためにゲノム解析を行った海流散布植物(マングローブと同様の分布域を持つもの)のデータ解析を進める。7月にシンガポールで開催されるの国際学会(MMM5)とその他の国内学会で研究発表を行う。 ■国際共同研究:ブラジルの共同研究者を日本に招へいして、新大陸のマングローブ植物についてのデータ解析と論文作成を進める。また、7月の国際会議でアフリカ地域の研究者とも調査協力についての打合せを行い、西アフリカ地域からのサンプル入手や調査実施の準備を行う。あわせて、アジア地域の共同研究者とも、共同研究の実施についての打合せを行う。 ■ポスドク研究員1名を西表研究施設で雇用して、研究計画の実施に参画させる。
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Research Products
(7 results)