2017 Fiscal Year Annual Research Report
IgG4関連疾患の病因解明とマウス疾患モデルの作製による検証
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17H01603
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 誠司 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60189040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新納 宏昭 九州大学, 医学研究院, 教授 (20380636)
森山 雅文 九州大学, 歯学研究院, 助教 (20452774)
柴田 琢磨 東京大学, 医科学研究所, 助教 (30554505)
安河内 友世 (川久保友世) 福岡大学, 薬学部, 講師 (70507813)
坪井 洋人 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80580505)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | IgG4関連疾患 / T細胞サブセット / マクロファージサブセット / Toll 様受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成 29 年度は主にサブセットの解析を行った(下記参照)。 1)唾液腺浸潤 T 細胞サブセットと特異なサブセットの活性化機構の解析 T 細胞のサブセットはさらに詳細に分類されており、さらなる解析には多重染色による免疫組織学的検索や浸潤細胞を分離してフローサイトメトリーで解析することが必要である。本研究では、フローサイトメトリー法の代わりに組織で多重染色を解析・定量化できる TissueFAX という最新のソフトウェアを用いて解析を行った。その結果、IgG4-RD に特異なサブセットtとして CD4 陽性細胞傷害性T細胞(CD4+CTL: CD4+GZMA+IFN-γ+TGF-β+細胞)を同定した。この CD4+CTL 細胞数と血清 IgG4 値は正の相関を示していた。 2)唾液腺浸潤マクロファージサブセットの解析 我々の従来の研究で、IgG4-RD 患者の唾液腺局所、特に線維化が強い部分にはCD163 陽性のM2マクロファージの著明な浸潤がみられ、IL-33 を産生してTh2 の活性化を誘導している可能性を示した。本研究では免疫組織学的ならびにフローサイトメトリーによるサブセットのより詳細な同定を行った。その結果、Toll-like receptor 7(TLR7)といった活性化に関わる分子を強発現しており、さらに末梢血から分離した M2 マクロファージを TLR7 アゴニスト(R848)で刺激すると、IL-33産生が促進されることを明らかにした。以上の結果から、TLR7/IL-33シグナルが、IgG4-RD の発症に関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標であった「特異なT細胞およびマクロファージサブセット」が同定することができたため
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Strategy for Future Research Activity |
来年以降は下記の研究を行う予定である。 1)唾液腺浸潤T 細胞の特異なサブセットのクローナリティーと認識抗原の同定 特異なサブセットにクローナルな細胞増殖が認められているT細胞サブセットについて従来行ってきた分子生物学的手法を駆使して、認識抗原の同定を行う。 2)唾液腺浸潤サブセットサブセットの解析と産生サイトカインの解析→疾患モデルマウスの作成 マクロファージサブセットのサイトカイン産生の解析を進めるとともに、他のグループの研究成果を踏まえて疾患モデルマウスの作製に着手する。既に、異常発現する分子がいくつか同定されているので、それらのtransgenic マウスを作製し、その表現型を検討する。現時点では、IL-21、IL-33、TLR7のtransgenic マウスを候補として検討している。
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