2019 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanism of population dynamics in small-scale communities of present Laos
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17H01633
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横山 智 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (30363518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森木 美恵 国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (00552340)
佐藤 廉也 大阪大学, 文学研究科, 教授 (20293938)
中澤 港 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (40251227)
白川 千尋 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60319994)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ラオス / 人口動態 / 再生産 / 生業 / 小規模社会集団 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、ラオスで人間に関わる研究を実施するために必要となる倫理審査をラオス保健省(LaoTPHI)に申請し、昨年度に引き続き許可され、問題なくフィールド調査を実施することができた。また、LaoTPHIだけではなく、農林省国立農林業研究所(NAFRI)との協力関係も良好な状態で継続しており、メンバーの現地調査では郡農林事務所やNAFRI北部支所のスタッフを派遣して頂き、調査を実施した。フィールド調査は、ラオス北部ムアンゴイ郡と中部サワンナケート県セポン郡の調査地においてを実施した。本研究では、過去に遡って住民のデータを取得して人口と生業の変動を解明することを目的としているため、データの信憑性を高めるために、取得したデータを検証して、さらに不明点があると再調査をして確認する作業を繰り返す必要がある。 ラオス北部のルアンパバーン県ムアンゴイ地区の対象2村落では、過去に何度か分村し、多くの住民が他出していった歴史があり、過去の住民に関するデータ検証作業は若干遅れている。また、ムアンゴイ地区の生業データ取得に関して、これまでは水田を中心に実施してきたが、焼畑のデータに関しては2019年度から本格的に収集し始め、焼畑のための森林伐採作業に関する詳細なデータを得た。なお、家族計画班が実施する研究に関しては、夫婦間関係のデータと食事調査のデータ、共に順調に収集することができた。また、サワンナケート県セポン郡では住民の行動調査、および重要な生業である焼畑の森林伐採に関するデータを取得した。 これらの調査から、ラオス北部ムアンゴイ郡と中部サワンナケート県セポン郡の調査地の全世帯の人口構成と生業構造を明らかにするデータがで得られた。さらに成人世帯構成員(とくに女性)の家族計画に関する詳細なデータを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
メンバー間で研究の進捗状況を確認し、データを共有し合うための会議をこれまで年2回実施してきたが、新型コロナウィルスの影響で、2回目の会議を実施することができなかった。科研ではメーリングリストを立ち上げて、常にメンバー間で情報共有をしているが、十分なディスカッションはできていない。以上の進捗状況から、予定していた研究は、予定通り実施できているテーマもあるが、予定より若干遅れているテーマもある。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのフィールド調査で得られた結果を分析し、その結果を踏まえて、以下の研究を実施する。 「人口移動班」は、人口動態に関する補完的な世帯聞き取り調査を実施し、過去の移出入を推計し人口復元する。また生業班が取得した世帯の経済活動データと組み合わせて、人口変動と生業変化の関係を論じる。 「生業班」は、水田と焼畑の両方の形態の稲作に関してのタイム・アロケーション調査を実施し、世帯内労働分配を明らかにする。 「家族計画班」は、これまで取得した家族計画に関するデータと健康に関するデータを分析し、必要に応じて補完調査を行う。また、2018年度から本格的に開始した北部ムアンゴイ郡の調査地における食事調査の分析を集中的に実施する。 「食料獲得班」は、中部サワンナケート県セポン郡の食事調査、住民の身体調査結果、行動調査に関して、補完調査を実施し、結果をまとめる。 そして「総括班」は、昨年度新型コロナの影響で開催できなかった国内会議を開催し、これまでの調査結果の共有、 また成果公表(国際学会発表と書籍出版)について議論する。
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Research Products
(13 results)