2017 Fiscal Year Annual Research Report
Reconstruction of a history of monotheism based upon a disconvered synagogue in the Galilee in Israel
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17H01640
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市川 裕 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (20223084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 研 立教大学, 文学部, 特定課題研究員 (00187238)
桑原 久男 天理大学, 文学部, 教授 (00234633)
細田 あや子 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (00323949)
上村 静 尚絅学院大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (00447319)
高井 啓介 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 研究員 (00573453)
月本 昭男 上智大学, 神学部, 教授 (10147928)
土居 由美 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 研究員 (50751038)
勝又 悦子 同志社大学, 神学部, 准教授 (60399045)
長谷川 修一 立教大学, 文学部, 准教授 (70624609)
葛西 康徳 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (80114437)
江添 誠 慶應義塾大学, 文学部(三田), 講師(非常勤) (80610287)
牧野 久実 鎌倉女子大学, 教育学部, 教授 (90212208)
高久 恭子 (中西恭子) 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 研究員 (90626590)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 宗教学 / 考古学 / 西洋史学 / 聖書学 / 古代ユダヤ教 / 宗教と法 / 初期キリスト教 / 国家と宗教 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の主たる実績は、以下の三つに分けられる。 第1に、2017年8月に、イスラエルのテル・レヘシュ遺跡で、シナゴーグの全容を解明する発掘調査を実施した。これによって、本シナゴーグは、モーセ五書の巻物を置く台座と思われた石は、天井を支える支柱の礎石であることが判明し、全体は簡素な矩形の部屋に過ぎないことが明らかとなった。ここから、シナゴーグの用途を、安息日のトーラー朗読にのみ限定して考える必要がないものと想定された。 第2に、出土した西暦1世紀のシナゴーグの発見がもたらす意義に関して、同時代的、宗教史的、比較宗教学的視点から、研究成果を持ち寄って、公開シンポジウムを実施した。シンポジウムの全体テーマは、「イスラエル新出土シナゴーグから 一神教の宗教史を見直す」である。( 2018年3月2日(金) 13時-18時 東京大学本郷キャンパス 法文1号館 113教室。) 第3に、シナゴーグがユダヤ社会において果たした役割の変遷を、古代から中世にかけて考察するシンポジウムを実施した。シンポジウムの全体テーマは「ユダヤ共同体とその指導者たち -古代から中世へ-」である。(2018年1月21日(日)13:00-18:00 東京大学本郷キャンパス法文1号館113教室。) カイロで発見されたゲニザ文書から推定される、中世旧カイロ市(フスタート)のシナゴーグと共同体の関係について、イスラエル人の専門家の知見を得られたことは、歴史的変遷を明らかにするうえで非常に有益であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研の中心であるテル・レヘシュ遺跡のシナゴーグの発掘調査は、現地の政情に影響されることなく、予定通り、滞りなく実施することができて、シナゴーグの全容は発掘できたことがまず何よりの成果である。 その他の歴史研究文献研究等は、各分担者の研究も順調に行われ、年度末に2つのシンポジウムによって成果を公開できた。
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Strategy for Future Research Activity |
発掘の継続のためには、しかるべき報告書の作成が不可欠であり、今年度2018年度から先の発掘許可が下りるか否かは、報告書の作成にかかっている。そのため、本年度は、報告書の執筆に必要な範囲で部分的に発掘調査を行い、今後の本格的な発掘調査は、おそらく、2019年度に持ち越す可能性が高い。 発掘以外の海外調査と文献研究に関しては、初年度の勢いのままに進めていく。3月末の事務局会合では、シナゴーグ研究が、従来、宗教的役割を中心に考察されてきた点に鑑みて、今年度は、日常的な役割に特化した研究に重点を置くことが確認された。主たる課題は、教育と食事であり、それぞれ4名程度の発題者を決めて、年度中に、2度シンポジウムを開催して、成果を共有していくことを予定している。
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Research Products
(17 results)