2018 Fiscal Year Annual Research Report
Community Movement in Mainland South East Asia under the Transforming Power Formation in Globalized World
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17H01648
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
西井 凉子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20262214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 繁治 国立民族学博物館, その他部局等, 名誉教授 (00045262)
久保 忠行 大妻女子大学, 比較文化学部, 准教授 (10723827)
斎藤 紋子 東京外国語大学, その他部局等, 非常勤講師 (20512411)
古谷 伸子 大谷大学, 社会学部, 講師 (20514326)
中田 友子 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (50508398)
高城 玲 神奈川大学, 経営学部, 准教授 (60414041)
土佐 桂子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (90283853)
阿部 利洋 大谷大学, 社会学部, 教授 (90410969)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コミュニティ運動 / 東南アジア / 共同性 / アセンブレッジ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、研究代表者・研究分担者9 名が、次のような調査を行った。阿部は、「カンボジアにおける反土地コンセッション運動のレパートリー」、中田は、「南ラオスのゴム・プランテーション開発と村落コミュニティの変化」、古谷は「東北タイにおける複合農業・森林再生のコミュニティ運動」、久保は「権力関係の再編とコミュニティ運動:ビルマ(ミャンマー)カヤー州での民族言語の教育」、高城は「北タイにおけるラジオ・メディアと新たなコミュニティ運動」、西井「タイの民主化運動の行く末―森に入った人々とコミュニティ運動」、斎藤が「ミャンマーのムスリムコミュニティについて」、土佐が「ダンマスクール(仏教日曜学校)運動」、田辺が「北タイ行者の(非)近代的な仏教コミュニティ運動」をテーマとして、それぞれタイ、ラオス、ミャンマーを中心とした東南アジア大陸部の各国で継続して臨地調査を実施した。臨地調査に関しては、タイ、ラオス、カンボジア、ミャンマーの各国において、現地の大学・研究機関に属する外国人研究者の協力を得ながら、必要な基礎的文献資料の収集と現地調査を行った。 また、8月24日から25日にかけてミャンマーのヤンゴン大学において、ミャンマーの研究協力者の協力のもと、"Rethinking “Community”: from Case Studies in Mainland South East Asia"と題する中間的な成果報告会である国際ワークシップを開催した。国際ワークショップに先立って、知見の共有を図り、理論構築の基盤作りを行った。 そこでは、研究代表者及び研究分担者がそれぞれのミクロなフィールドの現場における権力布置の実態把握を、いかにマクロな分析につなげることができるのかについて、留意しつつフ行ったィールドワークの知見をもちより、ミクロ‐マクロ両面から東南アジア全般の権力状況の理解を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コミュニティ運動のミクロな次元から実態把握を行うとともに、東南アジア各国及び東南アジア全域、またグローバルな権力編成のマクロな動向の把握に努めた。 また、本年度8月に計画していた国際ワークショップに先立って、知見の共有を図り、理論構築の基盤作りを行った。そうして得た共通理解のもと、8月にミャンマーのヤンゴン大学において、行った国際ワークショップ"Rethinking “Community”: from Case Studies in Mainland South East Asia"においては、ミャンマーの研究協力者と有意義な意見交換をすることができ、研究の中間地点において今後の研究の展開に資する議論を行うことができた。 これらの議論からは、ミクロな状況の相違点と共通点が浮かび上がり、今後こうした知見から、いかにこれまでのコミュニティ論の理論的展開を新たな視点から見直していけるのかについての課題が明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目には、初年度及び2年目の調査、またそれらの知見をもちよって海外の研究協力者をまじえて行ったミャンマーのヤンゴン大学で国際ワークショップにおける成果をもとに、今後の研究の指針の修正や展開を図る予定である。3年目の初旬において、神奈川大学にて、第1回目の国内研究会を行い、前年度の調査結果について各自報告し、全体の方向性についての議論を行う。 それら中間的成果をもとに、各自のフィールドにおいて精査、発展させ現地調査を行う。 また、11月くらいに、調査結果をもちより、国内においてワークショップを行う予定である。そこでは、権力分析に資する理論的指針となりうると思われるデヴィッド・グレーバーの研究に関して、国内における第一人者とも目される酒井隆史氏を講師に招き、勉強会を行うことで、今後の研究の展開にむけての理論的なプラットフォームの構築を行う。
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