2018 Fiscal Year Annual Research Report
Proposal of suppression method of the coastal tropical peatland collapse by application of groundwater management and tidaflatl formation mechanism
Project/Area Number |
17H01668
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山本 浩一 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (50355955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 素之 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (00304494)
赤松 良久 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (30448584)
神野 有生 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (30583760)
神山 惇 宮崎大学, 工学部, 助教 (90816266)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 泥炭地 / 海岸浸食 / 泥炭地崩壊 / 地下水 / 一時扇状地 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は衛星画像およびUAV空撮による泥炭地崩壊の実態解明について重点的に研究を行った。泥炭地崩壊については崩壊による亀裂の水平スケールは高々数十メートルの規模であるため高解像度の衛星画像やUAVによらなければその発生状況は捉えられなかった.このため泥炭地崩壊の発生の時期は不明であり,水文や気象とどのような関係にあるのか明らかではなかった.一方,衛星画像では泥炭地の海岸で局所的かつ一時的な陸地の拡張現象が観察されていた.そこで,最も泥炭地崩壊の激しいブンカリス島で陸地拡張現象と泥炭地崩壊の発生との関係を把握し,気象・水文データと比較することにより泥炭地崩壊の発生要因解明と陸地の拡張現象(一時泥炭扇状地と命名)の消長の解明を目的とした.12月~2月の時期は3月~11月よりも減衰係数が増大した.北風が吹くことにより,波高も増大し,一時泥炭地の減衰が大きくなったとみられた.降水量の増大により新たに出現する一時泥炭扇状地の個数が増加することが明らかになった.従って高緯度地方の泥炭地で確認されているのと同様に降雨が沿岸熱帯泥炭地崩壊の要因となっていたことがわかった.泥炭地崩壊で陸側から海域へ押し出された泥炭は一時扇状地を形成する.従って一時泥炭扇状地の発生は泥炭地崩壊の発生を示す.一時泥炭地は風波により急速に面積を減じ,海底または他の海岸に泥炭が輸送される.また、海岸における泥炭地崩壊の頻度は降雨量とともに増大することも明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体の進捗率はおおむね全年度の2/3程度である。1.沿岸熱帯泥炭地崩壊メカニズムの解明および抑制方法の提案は(実施率2.2/3)である。1)高解像度衛星画像によるリアウ州の海岸浸食形態の解明:終了した。2)ドローンによる写真測量を用いた崩壊地域の詳細マッピング:終了した。3)浸食地形における縦断精密地盤測量:踏査が困難なため、RTK-GPSを写真測量での補完にとどめ、写真測量をメインとし終了した。4)浸食地形の時系列モニタリング:実施率1/3、5)泥炭のせん断強度分布の測定:終了した。6)数値モデリングを実施中:実施率(1/5)である。 2.地下水の制御に基づく泥炭崩壊の抑止方法の確立(実施率2/3)1)パームオイルプランテーション水路・地下水位測定:実施中である。2)気象計測:継続中である。3)水位上昇実験:実施予定:未実施、 3.泥炭砂嘴・干潟形成機構に基づくマングローブ再生手法の確立(実施率2/3)、1)懸濁物質の輸送の鉛直1次元モデリング:実施中である。消波工の数値モデリング:実施中である。 4.泥炭崩壊ハザードマップの考案:実施中(実施率1/2)
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Strategy for Future Research Activity |
下記の項目に注力して研究を進める。 1.沿岸熱帯泥炭地崩壊メカニズムの解明および抑制方法の提案のうち、4)浸食地形の時系列モニタリング、6)泥炭地崩壊の数値モデリング 2.地下水の制御に基づく泥炭崩壊の抑止方法の確立のうち、3)水位上昇実験 3.泥炭砂嘴・干潟形成機構に基づくマングローブ再生手法の確立のうち、懸濁物質の輸送の鉛直1次元モデリング、消波工の数値モデリング 4.泥炭崩壊ハザードマップの考案
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Research Products
(9 results)