2017 Fiscal Year Annual Research Report
Innovative four-dimensional variation method for data assimilation based on large-scale models
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17H01703
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長尾 大道 東京大学, 地震研究所, 准教授 (80435833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 高峰 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地震津波海域観測研究開発センター, グループリーダー (00359176)
中野 慎也 統計数理研究所, モデリング研究系, 准教授 (40378576)
伊藤 耕介 琉球大学, 理学部, 助教 (10634123)
福田 淳一 東京大学, 地震研究所, 助教 (70569714)
永田 賢二 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (10556062)
桑谷 立 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球内部物質循環研究分野, 研究員 (60646785)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | データ同化 / 4次元変分法 / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / 最適化 / 不確実性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
数値モデルと観測データをベイズ統計学の枠組みで融合するための計算技術「データ同化」を主題とし,大自由度数値モデルを取り扱う地震学・気象学の実問題にも適用可能な「次世代型4次元変分法」の開発に着手した。提案手法は,研究代表者が最近開発した「最新型4次元変分法」にレプリカ交換モンテカルロ法をプラグインし,大自由度数値モデルの場合であっても,現実的な計算時間および計算機資源の範囲内で,初期解依存性の無い推定解およびその不確実性評価の両者を一挙に計算可能な革新的なものとする。 本研究の参画者を理論班,実装班,応用班に分け,各班が以下の研究を実施した。 [理論班] 研究代表者の長尾が中心となって,Metropolis-adjusted Langevinアルゴリズムを参考に,次世代型4次元変分法の理論設計に着手した。長尾らが開発した最新型4次元変分法にプラグイン可能なレプリカ交換モンテカルロ法を,研究分担者の永田が中心となって考案した。 [実装班] 理論班による次世代型4次元変分法のアルゴリズム考案中に,LorenzモデルやPhase fieldモデルに基づく双子実験の準備を開始した。その際,計算実行時間および計算機資源使用量を計測できるようにした。実装班は,若手研究員および大学院生で構成されているため,実装にあたってはデータ同化手法の開発と実装に豊かな経験を持つ長尾から指導を受けた。 [応用班] 次世代型4次元変分法を適用する地震学の実問題を選定に着手した。次世代型4次元変分法を用いれば,広域最適化と同時に不確実性評価も可能となり,信頼性のある摩擦パラメータの分布関数が得られるものと期待される。 [研究総括] 平成29年度中に全体ミーティングを複数回開催し,また学会セッションを企画する等,参画者間の緊密な連携を取ることに努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で開発する「次世代型4次元変分法」の理論設計や実装は極めて順調に進んでいるものの,本手法を応用する実問題の選定がやや遅れている。しかしながら,これは次年度以降に十分に挽回可能であるため,本研究の進捗状況は,おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で開発する「次世代型4次元変分法」を将来的に応用する実問題の選定を急ぎ,進捗状況を回復することに努める。また,理論班と実装班のコミュニケーションを頻繁に取り,手法としての完成度や汎用性を高める。 全体ミーティングの開催を通じて,参画者間の意思疎通をより一層図る。また,本研究の成果を広く周知するため,統計関連学会連合大会や日本地球惑星科学連合大会を始めとする国内学会,アジア・オセアニア地球科学協会といった国際会議において特別セッションを企画し,本研究を広く周知する。さらには,本研究の成果を数編の英語論文にまとめ,国際誌に投稿する。
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Research Products
(22 results)