2019 Fiscal Year Annual Research Report
オブジェクトピッキングの観点に基づく物品配列パターンと把持動作計画
Project/Area Number |
17H01805
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
永田 和之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (10357634)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 物品配列パターン / 機械学習 / 把持戦略 / オブジェクトピッキング |
Outline of Annual Research Achievements |
整列して収納・陳列されている物品のpick and placeでは,整列をできるだけ乱さないように,1) どの物品を把持すべきか,2) どこに物品を置くべきか,を決める把持動作計画が重要であることに気付いた.そこで本年は,整列物品のpick and placeにおいて,どの物品を把持対象とすべきかを決定するために,物品配列パターンの乱れから,商品の欠品,異なった商品の混入,商品の反転・転倒を検出することを試みた.具体的には,陳列された商品群の水平,垂直,奥行方向の整列を三つの基本配列パターンとして物品の整列を学習し,異なった方向の物品配列Boundary Box(BB)の交差から個別物品のBBを検出する手法を開発した.また,物品配列BBに含まれる個別物品BBの全画素について色相ヒストグラムを特徴ベクトルとしてPCAを行い,異なった商品の混入,商品の反転・転倒の検出を試みた. また,物品が整列して置かれているとき,物品間の隙間が把持戦略に与える影響を調べるために16名の被験者について人間工学実験を実施した.人間工学実験は,木の板を棚差しと平積み状態で置き,物品の上面と右面に5mm刻みで変化させた隙間を与えて被験者に提示し,物品を取り上げたときの映像を記録した.まだ詳細な解析は行っていないが,把持面の一部が隣接物体により隠蔽されているとき,指のアクセスが可能な把持面に操作を加えて隠蔽された把持面を表出し物品把持を行っている傾向が見出された.つまり,隠蔽された把持面の表出操作を行った指を一旦物品から離して持ち直すのではなく,表出操作から把持にいたるまでの動作は連続的で,できるだけ少ない工程で物品把持を行っている.この知見は,人の手と異なった構造をもつロボットハンドによる整列物品の把持戦略に応用できるものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
整列して収納・陳列されている物品の把持動作計画問題に取り組む過程で,整列をできるだけ乱さないようにpick and placeすることが重要な指標であり,整列して陳列された商品の欠品,異なった商品の混入,商品の反転・転倒が,物品配列パターンの乱れとして検出できることに気付いた.この課題は,整列物品の把持動作計画において特有の問題であり,まだ他で先行して行われていない.そこで,把持動作計画問題を,隠蔽された把持面表出のための操作点探索ではなく,どの物品をpickし,どこにplaceするかという問題を優先することとした. 整列物品の隙間が把持戦略に与える影響を調べる人間工学実験については,実験プロトコルの検討に時間を要したため実験開始時期が遅れ,データの詳細な解析までには至っていない.しかし,実験の観察から,整列物品の把持では,指を一旦物品から離して持ち直すのではなく,連続的かつ少ない工程で物品把持を行う傾向を見出し,ロボットハンドによる整列物品の把持戦略の指針を得た.
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Strategy for Future Research Activity |
物品配列パターンの乱れから,陳列商品の欠品,異なった商品の混入,商品の反転・転倒を検出する問題に取り組む.具体的には,隣接する物品配列BBのサイズや数,および物品配列BB に含まれる個別物品BBの数の比較から陳列商品の欠品を検出したり,個別物品BBのテクスチャ解析から異なった商品の混入,商品の反転・転倒の検出っを行う.また,整列物品の隙間の影響を調べた人間工学実験のデータ解析を行い,把持戦略が切り替わる条件について調べる.
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Research Products
(3 results)