2019 Fiscal Year Annual Research Report
東日本大震災により海洋環境に放出された残留性有機汚染物質の動態解明と影響評価
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17H01890
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
高澤 嘉一 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境計測研究センター, 主任研究員 (40391122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒巻 能史 国立研究開発法人国立環境研究所, 地球環境研究センター, 主任研究員 (00354994)
家田 曜世 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境計測研究センター, 研究員 (40761078)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 海洋モニタリング / 鉛直分布 / 投げ込み式海水ろ過装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
天候不良により前年度から延期となっていた採水ろ過調査を2020年11月中旬に北緯41度45分、東経141度40分の海域にて実施した。投げ込み式大量ろ過装置に捕集材(ガラス繊維フィルター、合成吸着樹脂XAD2及びポリウレタンフォーム)を取り付けてタイマープログラムを起動させた状態で、10、250m及び500mの各層まで船上のウインチを用いて慎重に装置を降下させた。10mの採水ろ過では1時間、250mと500mの採水ろ過では2時間にわたり、船舶を定点に留まらせて装置を連続的に動作させた。なお、水圧計を確認した結果、水深の揺らぎはほとんど無いことが確認された。採水ろ過実施後のガラス繊維フィルターなど各捕集材は、分析時まで冷凍保管した。各捕集材はアセトンとジクロロメタンを用いて溶媒抽出した後に抽出液を混合してフロリジルによる試料精製を行った。測定にはガスクロマトグラフ/高分解能型質量分析計を用いた。試料を分析した結果、ヘキサクロロシクロヘキサン類(HCHs)は各層において最も濃度が高く(68~110 pg/L)、特にbeta-HCH(41~65 pg/L)は優勢であった。ヘキサクロロベンゼンやクロルデン類も0.2~35pg/Lの濃度範囲で検出された。各層における検出濃度に着目すると、表層水と比較して底層水中で高濃度を示す傾向はbeta-HCHを除いては確認されなかったことから、今回観測した海域においては、海底堆積物がこれらの有機汚染物質の供給源となっている可能性は低いことが示唆された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)