2017 Fiscal Year Annual Research Report
宮本憲一氏収集資料を活用した環境政策形成史に関する研究
Project/Area Number |
17H01930
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
碇山 洋 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (50211024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊達 規子 (大久保規子) 大阪大学, 法学研究科, 教授 (00261826)
尾崎 寛直 東京経済大学, 経済学部, 講師 (20385131)
寺西 俊一 帝京大学, 経済学部, 教授 (30134878)
入谷 貴夫 宮崎大学, 地域資源創成学部, 教授 (30211759)
野田 浩二 東京経済大学, 経済学部, 准教授 (30468821)
吉村 良一 立命館大学, 法務研究科, 教授 (40131312)
川瀬 光義 京都府立大学, 公共政策学部, 教授 (40195095)
菊本 舞 (渡邊舞) 岐阜経済大学, 経済学部, 准教授 (40537396)
山下 英俊 一橋大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (50323449)
土井 妙子 金沢大学, 学校教育系, 教授 (50447661)
永井 進 大正大学, 地域創生学部, 教授 (60061230)
中村 剛治郎 龍谷大学, 公私立大学の部局等, フェロー (60143872)
武田 公子 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (80212025)
諸富 徹 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (80303064)
佐無田 光 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (80345652)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 公害 / 環境問題 / 環境政策 / アーカイブズ |
Outline of Annual Research Achievements |
①宮本憲一氏収集資料の中分類--水俣病関連資料、四日市喘息関連資料など大分類済みの資料について中分類を概ね完了した。たとえば、水俣病裁判関連資料についてみれば、準備書面、原告団関連資料、弁護団関連資料などへの分類である。残るものは、小規模市民団体の刊行物など中分類が困難ないし意味をなさないものであるので、30年度に直接に小分類を行う予定である。 ②小分類の方針策定のための研究--金沢大学の研究代表者、研究分担者を中心に、資料現物の物理的な状況(サイズ、ページ数、脆弱性など)を確認しながら、小分類の方針を策定しつつある。また、公開研究会を2回開催し、意見交換を行った。研究会での研究報告は以下のとおり。寺西俊一「公害・環境問題研究と“宮本経済学”の意義」、佐無田光「宮本経済学から地域政策研究への示唆」、土井妙子「沈黙する福島」、大久保規子「日本の環境法における市民・NGOの位置づけーその展開と課題」、宮本憲一「戦前の公害資料--四阪島・日立煙害事件」、永井進「宮本先生と都留先生の公害論」、清水麻帆「マルチメディア産業における維持可能な発展と都市政策」。 2回目の研究会で、小分類については日本十進分類法によらずアーカイブズとして保存すること、段階的に公開可能とすることなどが方針として確認された。ただし、少頁であっても綴じられた資料については、その物理的状態そのものを小分類とし、書誌情報を新たに付与して日本十進分類法に従って整理・データベース化することとし、この作業は例外(物理的に脆弱なものなど)を残して完了した。アーカイブズについては碇山が専門家からヒアリングを行うなど、どのような手法をとるか調査を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①宮本憲一氏収集資料の中分類--中分類することが不適切または不可能な例外を除いて完了した。 ②小分類の方針策定のための研究--1)公開研究会での情報交換・意見交換、2)国文学研究資料館等の専門家からのヒアリングなどを通じて順調に進捗し、基本方針を定めることができた。 当初、29年度は資料の整理・データベース化に関わることが中心課題であったが、上述のように、アプローチ別班分けによる研究も進捗した。(環境経済学的・環境政策論的アプローチ=寺西、永井、地域経済論的・地域政策論的アプローチ=佐無田、法学的アプローチ=大久保、教育学的・福祉論的アプローチ=土井)
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Strategy for Future Research Activity |
①資料の小分類とデータベース化--小分類が終了した資料から順次、アーカイブズを構成する。アーカイブズについてはさまざまな手法があり、確立した方法論がいまだない状況であること、宮本氏収集資料が膨大な量であるとともに内容が複雑であることを考慮し、独自の手法の開発につとめる。アーカイブの途上で予測不可能な問題に遭遇する可能性もあるため、どの段階からでも初期化できる手法を開発する。そのために資料の量を限定してさまざまな手法を試行する。 ②小分類済み資料を活用した研究の展開--アプローチ別の班による研究を進めるとともに、複数班合同、全班合同で公開研究会を開催する。その際、分野別研究の寄せ集めとならないよう、全体総括担当の碇山が、分析と総合の方法にしたがい、適宜コーディネートする。そのために、公害研究委員会の研究の蓄積をあらためて参考とする。
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