2019 Fiscal Year Annual Research Report
Unification of the clothing pressure measuring methods by three direct methods and a indirect method, and a new sensor development
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17H01954
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
三野 たまき 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (00192360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 真理 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (20294184)
森島 美佳 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (50369518)
中山 昇 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (80336445)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 衣服圧測定法 / 衣服圧 / 圧センサ / 曲率半径 / 硬度 |
Outline of Annual Research Achievements |
衣服の着心地の一指標である衣服圧の測定法は大別すると直接法と間接法とに分かれるが,その双方から得られた衣服圧を詳細に検討した報告は数少ない。また,直接法であっても,使用するセンサによって得られた衣服圧値が異なり,測定対象の物性によっても圧値が異なると考えられる。そこで,国内外で最も使われている直接法の3種の圧センサと間接法を用い,同一測定条件で測定した結果を比較検討する。接触法(直接法)で求めた衣服圧は,被検体の硬さによって異なることがわかってきた。つまり,ヒトが衣服を着用した時の衣服圧を測定する場合,人体の皮下組織の違い,つまり,皮下脂肪や筋肉や骨に近い部位を測定する場合,衣服素材や締め率を規定しても異なった圧値が出力される可能性があることがわかってきた。そこで,接触法以外の他の直接法でも,同様な現象があるかを調べている。これにより,3種の直接法で生ずる衣服圧値の差が,測定対象やその条件にもとずくことを明らかにする。そして,どのような測定条件でその程度の圧範囲ならば,圧値が一致するかあるいは異なるかを確認する。それら直接法で求めた値が,関接法で再現した衣服圧値に近づくかを検討する。これにより,各研究者や業者が使用している直接法のセンサ別の補正条件やその係数を提示することを目指している。この補整係数ができれば,真に製品設計に貢献できる衣服圧の提示が可能となろう。更に誰でもが簡単に,安価に使える新センサの設計も試みている。これが完成すれば,健康で快適な着圧ウエア開発のに役立つ方法を提示することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究Ⅰの3種類の直接法のセンサの応答速度:分解能の校正を3種類の直接法(液圧平衡法,接触圧測定法,Flexi-Force)を測定している【担当三野】。様々な硬さのシリコンシートによる測定面の硬さによる較正値(負荷と出力との関係)を接触圧測定法で調べたところ,硬さによって4割程度出力値が変化し,柔らかいシリコンでは圧出力が低く,硬いシリコンでは圧出力が高くなることを接触法を使って明らかにした【担当井上】。晒を用いて部分的によこ糸とたて糸の織密度の異なった布を作成し,この引張り特性と,測定被検体の曲率半径を変えたプラスチック円筒を用いて,直接法で測定している【森島・井上・三野】。これと並行してさらに以下の研究Ⅱを進める。 研究Ⅱ:官能評価・生体データとの検討 衣服圧計測・自律神経系諸機能の計測:ホールガーメントを用いる着用実験では,剛体(プラスチック等)を用いた実験はほぼ終了した。ヒトの衣服着用時には胸部・胴部(呼吸運動に影響),前腕・上腕(脈波に影響),大腿・下腿部(筋運動の影響)の動的衣服圧も測定している【担当三野】。この時の圧と圧感覚,快適感を調べている【担当三野】。 研究Ⅲ:新センサの開発と応用 靴内部の圧力を測定するセンサは完成したが,衣服圧用の目的荷重には至っていない。更に高感度なセンサを作製しているところである。また,受圧部のシリコン部はちぎれやすく,これと貼り合せた基板は硬い。そのため,これをカバーするポーチが必要であるが,この望ましい大きさがほぼ決まっているので,これに合うようにセンサを更に小型化,薄型化している【担当中山・三野】。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は最終報告書をまとめる【担当三野】。 研究Ⅰの3種類の直接法のセンサの応答速度,分解能の校正を引き続き遂行する【担当三野】。様々な硬さのシリコンシートによる較正値(負荷と出力との関係)を接触圧測定法以外の,液圧平衡法とFlexi-Forceの2法で調べる【担当井上】。織密度の異なった布をさらに調整し,引張り特性と測定被検体の曲率半径の異なったプラスチック円筒を用いて,直接法と間接法による被服圧の違いを調べる【森島・井上・三野】。 研究Ⅱでは官能評価・生体データとの検討する。衣服圧計測・自律神経系諸機能の計測:ホールガーメントを用いる着用実験では,剛体を用いた実験はほぼ終了したので,人体における同一の曲率半径の部位の測定を設定し,衣服圧の違いを検討する。なお,体表面下の組織構造は超音波断層法にて収集する。ヒトの衣服着用時には胸部・胴部,前腕・上腕,大腿・下腿部の動的衣服圧も測定し,センサの動作追従性を,研究Ⅰのセンサの応答速度と比較・検討を更に続ける。これにより,静立位であっても呼吸運動や脈波によってどの程度衣服圧が変化するかを3種の直接法のセンサで測定し,更にデータを収集する【担当三野】。この時の圧と圧感覚,快適感,圧迫時の呼吸運動,脈波,筋電位変化も測定し検討する。体部位による適正な衣服圧の範囲を明らかにする【担当三野】。 研究Ⅲ:新センサの開発と応用では靴内部の圧力を測定するセンサは完成したが,衣服圧用の目的荷重には至っていない。更に高感度なセンサを製作する。また,受圧部のシリコンのちぎれやすさと基板の硬さは実際の測定に向かない。これらの受圧部と基板部を包み込むポーチの工夫が必要である。最適なポーチの大きさにあうように,センサを更に小型化,薄型化する必要がある。人間の動作と荷重変化を同時に測定および記録できるシステムを構築する【担当中山・三野】。
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Research Products
(19 results)