2018 Fiscal Year Annual Research Report
問題解決のための社会関係資本を形成する自己足場かけスキル育成手法の研究
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17H01991
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
鈴木 栄幸 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (20323199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛岡 英明 筑波大学, システム情報系, 教授 (10241796)
舟生 日出男 創価大学, 教育学部, 教授 (20344830)
望月 俊男 専修大学, ネットワーク情報学部, 准教授 (50379468)
加藤 浩 放送大学, 教養学部, 教授 (80332146)
久保田 善彦 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (90432103)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自己足場かけスキル / 社会関係資本 / 自己調整学習 / 協調学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,問題解決の場において、必要に応じて他者の助けを借りながら課題に取り組み、協働的作業の一部を手伝ってもらったり、道具や情報を提供してもらったりするなど、他者の資源を活用するとともに他者の能力を引き出していくような人的資源活用能力を備えた人材の育成をゴールとし、支援手法、支援システム、カリキュラムの開発に取り組む。今年度の研究成果は以下の通りである。 1. 自己足場かけスキル訓練手法の開発:他者の助けを意識的に自分の中に取り込んでいく訓練を学習者が段階的に行うような学習を支援する手法を構築するために,発達の最近接領域の理論とノーマンの道具論.ヴィゴツキーの媒介の概念にもとづき,他者の教えやアドバイスを取り込み,最終的に自分で同じようにできるようになるプロセスを分析した.その結果,他者の教えの内化と専有(自分のものにすること)は,教師的役割を担う他者のつかう道具と,その道具によってもたらされる世界の「見え」の継承であることが明らかになった(知的活動における道具とは多くの場合「言葉」である)。以上より,他者の教えや教示の中で他者が示した考え方やコツといったものを内化し,自分の認知的道具として活用していくことを支援する手法として,「名言生成法」を提案した。大学生を対象としたゼミナールにおいて本手法を実施し,効果を検証した。検証では,名言生成法の実施を助けるワークシートをデザインし利用した。検証の結果,この手法によって,教員のものの見方の癖や人柄といったものが「教員の言葉」の形で記録されていくことが示された。ただし,紙による本手法の実施は大きな負荷が伴うことも併せて明らかになった。 2. 自己足場かけスキル訓練手法「名言生成法」のための支援システムの仕様確定:「名言生成法」を実施するためのWebアプリケーションの要求仕様を分析し、仕様を確定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
システム開発者の確保に関して不測の事態があり,100万円を繰り越した。ただし,年度末の時点で開発に関する目処はついており,研究目標の達成においては問題はないと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度初頭に,システムの開発をおこなう.早急に完成させ,9月からシステムを利用した検証実験を開始する。
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Research Products
(10 results)