2017 Fiscal Year Annual Research Report
視覚認知障害解消のための画像変換手法を用いたIot型視覚呈示システムの開発研究
Project/Area Number |
17H02132
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 敏明 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任教授 (40248670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 士雄 北海道科学大学, 保健医療学部, 講師 (40760260)
泉 隆 東海大学, 基盤工学部, 教授 (80193374)
巖淵 守 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (80335710)
白銀 暁 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 福祉機器開発部, 研究室長 (90404764)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 福祉支援工学 / 3次元視覚情報呈示 / 視覚認知障害 / IoT |
Outline of Annual Research Achievements |
本件では、視覚情報呈示に加え、超小型センサを搭載することにより歩行という動的条件下での視覚認知障害に関する特性を見いだし, 検査・訓練・支援として3次元HMDシステムの開発研究を実施する.平成29年次計画では、HMDを用いた3次元空間での検査・訓練手法の確立を実施することとした。まず、3次元での空間無視検査が可能となるようHMDシステムは高速演算が可能な画像処理システムを用い、画質はSXGA1280×1440以上可能とした。視野角は120度とし、以前の試作機機能に比べ2倍以上とした。また、来年度以降、音声刺激も導入することから本機器おいてもヘッドフォン付き仕様とした。このためHMD本体では150g程度となったが、本装置総重量は400gとなった。今後さらに軽量化を追求する。実験内容としては、本機器を用いて動的条件下で奥行き知覚に関する空間無視患者の空間無視障害の特性を見いだし、その評価法および訓練法を確立するため、具体的には、2次元で実施する国際的な空間無視検査(BIT検査)の1種類である線分末梢試験と本装置による線分ではなく立方体を末梢する3次元条件下での試験との違いを検討した。被験者は空間無視患者および視野欠損患者数名とした。結果として、奥行きの有る本装置による3次元条件では立方体を配置する奥行き位置に各被験者の無視の重症度および物体中心座標か身体中心座標での障害の違いによって、2次元の通常の検査では得られない特有の病態を表出する可能生が示唆された。また、検査自体が訓練にも使用できることを確認した。加えて、視覚情報を修正する視覚情報縮小法および画像移動法による訓練手法を試みたが、各被験者にとって良好となる手法は存在するが顕在化評価のため多様な被験者データが必要と考える。現在、被験者を増やし検査訓練を実施中であり次年度以降、本装置による検査・訓練法の確立を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた3次元視覚情報呈示装置を製作し、視覚認知障害者複数名のデータを収集し、2次元と3次元での視覚認知障害の相違を明らかとし、かつ、本装置を用いた訓練手法の確立に着手した。なお、動作分析として、眼球運動、身体運動分析に関しては定性的分析にとどまったが来年度以降、定量化分析を加えることとする。以上より、現時点において、平成29年度に予定した研究計画に関して9割以上の成果を得た。計画した内容をほぼ達成し、かつ、来年度以降に予定していた音声刺激装置仕様にも着手し、また、IoT化に関する打ち合わせも本年度中に進めている。さらに、多様な被験者データが必要であることから継続的に被験者データは収集している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は動的歩行支援のためのセンサを搭載した3D-HMDシステムの開発とその効果検証を行う。29年度で明らかとなったHMDの仕様および患者データを元に、動的歩行時での検査訓練支援のためのシステム構築を目指す。具体的には、①本HMDにジャイロセンサおよび加速度センサを搭載し、②各被験者に関してHMDを用いて空間無視検査を実施後、各被験者に対応する3次元無視領域を改善するためのHMDの画像縮小率および視野領域の画像移動条件を決定する。③本HMDを装着の有無の2条件に関して、歩行を行い頭部の動き、視線の動きにあわせて、①の仕様条件を確保可能か検証する。④HMDによる歩行訓練支援の効果検証として、空間無視患者で自立した歩行が可能である患者に対してHMDの有無での平地歩行および応用動作として階段昇降などを行い、歩行動作分析により効果を分析する。 平成31年度は、IoT を用いたワイヤレス3D-HMD システムの開発およびその効果検証 を行う。30年度で構築したHMD に搭載された使用機器・センサ部分(CCD カメラ、HMD ディスプレイ、ジャイロ、加速度)に関してワイヤレス化を行い、PC およびスマートフォンとのデータ処理、画像処理を行い、被験者負担を軽減し、データ保管を可能とする。これにより、本人、家族、医療スタッフ等での情報の共有化し安全安心なシステムを構築する。実験手法は平成30 年と同様とするが屋外でのフィールド実験を追加し無線化、ワイヤレス化した本システムの将来の実用化にむけた課題を明らかとする。屋外に関しては日常生活活動(ADL)項目として、基本的ADL(BADL)および手段的ADL(IADL)における移動動作項目を中心に検証する。
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[Presentation] 転倒に伴う大腿骨近位部骨折により入院した高齢患者の特徴2017
Author(s)
スタッヴォラヴットアンヤポーン, 孫輔卿, 田中友規, 今枝秀二郞, 内山瑛美子, 松本博成, 森田光 治良, 松原 全宏, 西野 亜希子, 秋下 雅弘, 中島 勧, 田中 栄,大月敏雄, 西出和彦, 田中敏明, 飯島勝 矢, 大方潤一郎
Organizer
日本転倒予防学会第4回学術集会
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[Presentation] 大腿骨近位部骨折により入院した患者への聞き取り調査による転倒実態調査2017
Author(s)
内山瑛美子, 孫輔卿, 今枝秀二郎, 田中友規, 松本博成,森田光治良, スタッヴォラヴットアンヤポーン, 松原 全宏, 西野亜希子, 秋下 雅弘, 大月敏雄, 西出和彦, 田中敏明, 飯島勝矢, 大方潤一郎
Organizer
日本転倒予防学会第4回学術集会
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