2017 Fiscal Year Annual Research Report
膝関節外傷と障害の予防法開発に向けた荷重下水平方向の下肢筋力評価と強化法の開発
Project/Area Number |
17H02135
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 佳記 大阪大学, 医学部附属病院, 理学療法士 (00571829)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 研 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00283747)
向井 公一 四條畷学園大学, リハビリテーション学部, 准教授 (00353011)
前 達雄 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10569734)
小柳 磨毅 大阪電気通信大学, 医療福祉工学部, 教授 (20269848)
小柳 健一 富山県立大学, 工学部, 教授 (30335377)
武岡 健次 武庫川女子大学短期大学部, 健康・スポーツ学科, 准教授 (50342184)
辻内 伸好 同志社大学, 理工学部, 教授 (60257798)
玉本 拓巳 富山県立大学, 工学部, 助教 (30800908)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | トレーニング装置(ロボット) / リハビリテーション / 前十字靱帯損傷 / 膝関節外傷予防 / 高齢者障害予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、前後左右の並進方向の負荷を両脚に個別の強度で与え、床反力をコントロールして膝関節に不要な内外反や回旋の力を低減しながら、荷重下の下肢筋力を計測・強化できる運動装置とコンピュータ制御ソフトからなるシステムを開発する。これにより、立位の荷重下で両脚への並進方向の抵抗による下肢筋力評価とトレーニング方法を開発し、膝関節外傷・障害予防とリハビリテーションに貢献することを目的とする。平成29年7月までに、装置仕様の検討、制御機構の考案を行い、平成30年3月までに、基本設計、詳細設計の後、試作機1号機の製作を開始し、試作機1号機の完成後に特性試験を実施、その後、試作機2号機の製作を開始し、試作機2号機を完成する予定であった。しかし、平成29年7月、制御機構の考案の過程で、当初の予測に反し、仕様に適したマイコンが市販品にないことが判明し、制御機構の詳細設計と製作が行える業者を選定する必要が生じた。そのため、6ヶ月間の研究遅延を生じ、補助金を平成30年度に繰り越して計画を続行した。平成30年度は1号機の詳細設計を開始し、そのハードウェアを製作した。これにより、これまでは困難であった、荷重下で両脚同時の並進運動に抵抗を与えることが可能となった。その後、ソフトウェアの外注先にてその調整が円滑に進行せず、完成が遅延している。その間、1号機について、足部の自然な動きを妨げず、かつ膝関節への負荷を低減するように揺動する足置き台の開発・製作を達成した。これにより、トレーニング中の床反力ベクトルの制御が容易になり、膝関節への不要な負荷が低減できると考えられる。1号機のソフトウェア完成の遅延に伴い、その評価試験は完遂しておらず、抵抗負荷を自由に調整できるシステムとしては完成できていない。さらに2号機のハードウェアを製作開始し、完成させたが、1号機と同様に評価試験を次年度に行う必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度の遅延に加えて、平成30年度はソフトウェアの外注先にてその調整が円滑に進行せず、完成が遅延したことが主な理由である。そのため、ハードウェアは完成したがその抵抗負荷を適時調整するシステムとしては完成していない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和1年7~8月にはソフトウェアがバグ除去を含めて完成する予定であり、1号機・2号機ともに完成させて特性試験を開始する。以後、健常人による使用試験を実施し、試作機の抵抗負荷の量や質を調整したうえ、PCソフトのユーザビリティを改善する。完成した装置を使用して、健康人を対象に両脚での閉脚運動・開脚運動・前後交差運動などのシンプルな運動を行い、各脚に等速度制御下で並進方向の負荷を与える。各運動の抵抗量、運動速度、膝関節屈曲角度、ストライド(歩幅)などの条件を組み合わせて、膝関節負荷は最小で筋負荷は最大となる条件を検証する。生体運動計測には、研究分担者らが開発したウェアラブルな歩行解析システム(M3D歩行解析システム、テック技販社製)と表面筋電図(Noraxon社製、Myosystem)を用いる。
|
Research Products
(2 results)