2018 Fiscal Year Annual Research Report
Structure and function of glycolipozyme MPIase involved in protein translocation across and insertion into membranes
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17H02209
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
西山 賢一 岩手大学, 農学部, 教授 (80291334)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | タンパク質膜挿入 / MPIase / CdsA / YidC |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸菌におけるタンパク質膜挿入・膜透過反応には、糖脂質MPIaseが重要な役割を果たしている。膜タンパク質の膜挿入反応はMPIaseによって触媒されるため、MPIaseは「糖脂質酵素(Glycolipozyme)」であるという概念を提唱している。CdsAはリン脂質生合成にかかわる因子であり、CTPとフォスファチジン酸(PA)からCDP-DAGを生合成することが知られている。大腸菌においてはCDP-DAGはすべてのリン脂質の前駆体となる。MPIase生合成中間体GlcNAc-PP-DAG(Compound I)は、CdsA上でCDP-DAGが生合成され、CdsAから解離する前にGlcNAc-Pが取り込まれることにより生成することを見出した。実際、CdsAとPAを含むプロテオリポソームにCTPとGlcNAc-Pを加えると、これらの因子に依存してCompound Iが生成することを、LC-MS解析で明らかにした。さらに、この反応を進行させるためには、大腸菌内膜由来の因子が必要であることを見出した。Compound I生成を指標にこの因子の精製を進めたところ、YncLタンパク質を同定した。YncLは分子量約3.5kDaの膜タンパク質であることが判明した。YncLを過剰発現した株では、MPIaseの発現量の増加が観察されたため、YncLはCDP-DAGのGlcNAc-Pを取り込んでCompound Iを生成するのに必要な因子であると考えられる。 タンパク質膜挿入の再構成系では、自発的膜挿入を完全に排除した再構成系を確立した。この系を用いて解析した結果、すべてのタンパク質はMPIaseに依存して膜挿入すること、MPIase依存の膜挿入はYidCにより促進されることが判明した。さらに、YidCの変異体を用いた解析では、膜挿入促進効果が損なわれることが判明した。YidCには膜内部に親水的な溝があり、その中心部分にアルギニン残基が存在する。この部分に変異を導入した場合、MPIase依存の膜挿入を促進する効果が著しく低下した。この残基がYidC機能に重要であることを再構成系でも確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
MPIase生合成酵素CdsAやYnbBに関する論文をまとめ、MPIaseがin vivoでもタンパク質膜挿入反応に必須であることを示すことができた。続いて、MPIase生合成酵素の一つ、YncLを同定できた。さらには、再構成系でYidCの機能解析を進めることに成功し、論文投稿した。そのほかにも7報の論文が出版・受理され、4報の論文が投稿中・改訂中である。
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Strategy for Future Research Activity |
MPIaseの生合成酵素の探索を続行して、MPIase生合成経路の全貌を明らかにする。前年度同定したYncLの変異株を構築し、MPIase生合成に及ぼす影響を調べる。精製MPIaseやSecYEG、YidCを用いて、それらの相互作用部位を決定する。MPIaseと基質膜タンパク質との相互作用についても調べる。
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Research Products
(31 results)
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[Presentation] YidC accelerates glycolipozyme MPIase-dependent integration of membrane proteins2018
Author(s)
Masaru Sasaki, Hanako Nishikawa, Sonomi Suzuki, Michael Moser, Katsuhiro Sawasato, Hideaki Matsubayashi, Kaoru Kumazaki, Tomoya Tsukazaki, Yutetsu Kuruma, Maria Huber, Osamu Nureki, Takuya Ueda, Ken-ichi Nishiyama
Organizer
Bacterial Protein Export 2018 (The Leuven Ibstitute for Ireland, Leuven, Belgium)
Int'l Joint Research
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[Presentation] Glycolipozyme MPIase is essential for membrane protein integration and facilitates protein translocation in Escherichia coli2018
Author(s)
Katsuhiro Sawasato, Ryo Sato, Hanako Nishikawa, Naoki Iimura, Yuki Kamemoto, Kohki Fujikawa, Toshiyuki Yamaguchi, Yutetsu Kuruma, Yasushi Tamura, Toshiya Endo, Takuya Ueda, Keiko Shimamoto, Ken-ichi Nishiyama
Organizer
Bacterial Protein Export 2018 (The Leuven Ibstitute for Ireland, Leuven, Belgium)
Int'l Joint Research
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