2018 Fiscal Year Annual Research Report
Diversity in the relationship between low and upland society in mountain Southeast Asia
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17H02233
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
富田 晋介 名古屋大学, 環境学研究科, 特任准教授 (60378966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅崎 昌裕 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (30292725)
Badenoch Nathan 京都大学, 国際戦略本部, 特定准教授 (50599884) [Withdrawn]
夏原 和美 東邦大学, 看護学部, 教授 (00345050)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生態人類 / 世帯のライフサイクル / ラオス / 地域史 / ライフヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、出産育児班および世帯経済・世帯人口班が協力し、低地および山地住民の身体計測を行うとともに、生業等について聞き取り調査を行った。調査は、2019年8月と3月に各10日間、ウドムサイ県の調査地で行った。低地村A村においては、8月と3月に調査を行い、低地村B村は8月に、山地村C村は3月に調査を行った。ライフイベントにおける出産や育児は、住民の健康状態が大きく関係する。よって、これらの3村において、身体活動の計測、身体計測、および生業活動について聞き取りを行った。身体活動は、各村10人の村人を対象に、GPSと加速度計をもちいて1週間記録した。身体計測では、約400人について体重、身長、血液、毛髪、糞便等を採取した。同時に、調査対象者について、家族構成、食料摂取について聞き取りを行った。低地村および山地村の両方において、コメが主要な栄養源であったことに加えて、野生植物の摂取が顕著であった。そのため、住民の健康状態を説明するため、野生植物の同定および栄養成分を明らかにする必要があった。また、農作業に従事する村人が多く、作付けカレンダーによって身体活動が大きく関係していた。また、男女差が大きく、とくに低地村では、女性の方が男性よりもBMIが高い傾向にあった。 人口動態について、低地村では継続してデータを取得した。山地村においても、親族関係等の基本的なデータを取得できた。 歴史班は、ラオスの山地部と平地部をつなげる民族間関係を明らかにするために、ナムター県とビエンチャン市でフィールド調査を行なった。村の長老による聞き取りによって、集落の移動、戦争が起こした共同体の分散と再編成、接触による文化や言語の変容を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カウンターパート、研究分担者および研究協力者、および村人と良好な関係が築けており、順調にデータの蓄積ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究会:6月に名古屋大学で研究会を行う。研究会では、研究代表者、研究分担者および研究協力者がデータの分析結果を発表し、メンバー間で知識を共有する。12月から2月の間に、論文作成に向けての研究会を行う。 歴史班:引き続き、村落をめぐり村の歴史に関する口承データを収集する。また、これまで収集したデータを分析し、論文のドラフトを仕上げる。 世帯経済・世帯人口班:身体データについて、山地、低地における住民の栄養状態の違い、家系による違い等について分析を進める予定である。また、人口動態について分析をすすめる。さらに、野生植物を採取し、同定するとともに、栄養成分について分析する。また、水田面積の復元を行う。 出産・育児班:収集した人口データをもとに、出産・育児・経済活動の時間・労働配 分、出産・育児の実践、育児への参加者、乳母、養子についてデータを集める。 統括班:各班の調整を行い、論文発表の役割分担を決定する。
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Research Products
(5 results)