2018 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける家族とセクシャリティの変容に関する比較史的研究
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17H02246
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小浜 正子 日本大学, 文理学部, 教授 (10304560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 愛 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (00362905)
上田 貴子 近畿大学, 文芸学部, 准教授 (00411653)
白水 紀子 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (10196628)
五味 知子 聖心女子大学, 文学部, 講師 (20751100)
泉谷 陽子 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 准教授 (20773485)
下倉 渉 東北学院大学, 文学部, 教授 (40302062)
小川 快之 国士舘大学, 文学部, 特別任用教授 (10400798)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ジェンダー / 東アジア / 家族 / LGBT / リプロダクション / セクシャリティ / 身体 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度には、共同研究メンバーがそれぞれの課題に即して資料調査・収集および分析を進めるとともに、共同研究全体で、3回の公開研究会と、以下のシンポジウムを開催し、共同研究メンバーが研究成果を報告するとともに、隣接分野の研究者をも招聘して報告・討論を行った。 (1)映画上映会とシンポジウム「となりのセクシュアル・マイノリティードキュメンタリー映画『不穏なあなた』から見る韓国社会」2018年11月10日(土)於:近畿大学。ここでは、韓国のLGBTの状況が紹介され、他の東アジア地域および欧米との比較を行った。 (2)シンポジウム「アジアのLGBTは今」2019年1月12日、於:日本大学文理学部。台湾・中国・韓国のLGBTをめぐる運動と法制の状況が報告され、各国・地域の特徴が明らかになった。 (3)シンポジウム「アジアのリプロダクションは今-生殖補助医療とジェンダー」2019年3月23日(土)、於:日本大学文理学部。アジアの商業的な生殖補助医療の状況と、それを規制しようとする法制化の展開の状況が報告され、生殖補助医療をめぐる問題点のアジア的状況の特徴が明らかにされた。 これらの研究会・シンポジウムを通じて、共同研究メンバーの研究成果を共有するとともに、今後の研究の方向と問題点を確認した。総じて、欧米のジェンダーに関する状況とは異なった点を含むアジアの現状が共有されたと言える。また、今後どのようにして研究を進めてゆくかを議論し、資料収集状況についても共有した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で記した様に、順調に各メンバーが国内および海外での資料調査を重ねて資料収集を進めたことを基盤に、その研究の中間的な成果を共有・公開する研究会およびシンポジウムも多くの回数を重ねて、共同研究メンバーの間でも東アジアのジェンダーとセクシャリティに関する共通認識が深まったともに、課題に関する先端的な議論が行われて、学界にも寄与するところが大きかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、さらに各メンバーの資料調査・収集および研究を進めるとともに、東アジア歴史学界全体にインパクトを与えるようなシンポジウムを行って、日本の東アジア研究の中で弱点であったといえるジェンダー関連の研究への関心を高め、この分野での研究の活性化を図る予定である。そのために、2019年度には、中国史の分野での最大の学会のひとつである明清史夏合宿をこの科研メンバーで主催し、ジェンダーに関するシンポジウムを行って、ジェンダー史点の重要性を学界で共有することをはかる。同時に、そこに於いてこの共同研究での最新成果を報告する。
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Research Products
(10 results)