2020 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける家族とセクシャリティの変容に関する比較史的研究
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17H02246
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小浜 正子 日本大学, 文理学部, 教授 (10304560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 愛 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (00362905)
上田 貴子 近畿大学, 文芸学部, 教授 (00411653)
小川 快之 国士舘大学, 文学部, 教授 (10400798)
五味 知子 聖心女子大学, 現代教養学部, 講師 (20751100)
泉谷 陽子 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 准教授 (20773485)
板橋 暁子 東京大学, 東洋文化研究所, 助教 (30837290)
下倉 渉 東北学院大学, 文学部, 教授 (40302062)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 家族 / セクシュアリティ / 東アジア / フェミニズム / リプロダクション / LGBT / 生殖補助医療 / 父系制 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、中国を中心とした東アジアの家族の歴史的変化について共同研究を重ね、新型コロナウイルス流行のため、2021年度に繰り越して研究を継続した結果、この共同研究の成果である『東アジアの家族とセクシュアリティー規範と逸脱』(京都大学学術出版会)の刊行へ向けての議論を重ね、これを出版することができた。 ここでは、中国の家族の特徴とされている父系制・夫家での結婚儀礼・同姓不婚や妻と妾の関係などについて、それがけっして通時代的な中国家族の特徴ではないことを具体的な地域と時代に即して明らかにしている。すなわち、唐代には妻家での結婚儀礼が行われていたと考えらえること、古来より中国では父子間だけでなく母子間でも気が継承されると考えられていたが、明末以降、子はもっぱら父の気を承けるという考えが見えるようになったこと、経書によって避けるべきとされる同姓不婚の慣習は、地域と時代によってその厳格さにはかなりの差があること、などが明らかになった。 さらに、現代の東アジアにおける生殖補助技術の適用をめぐる考え方や、同性愛者への視線などについてもそれぞれの社会状況に即した研究成果をえた。 今後、これらが父系血統の継承を重視する伝統的な家族観および夫婦と子供の関係を重視する近代家族的な家族観がどのように関連しているかについて、より時間軸の長い射程で考察するとともに、東アジア地域内部での異同についてもそれぞれの歴史的経緯に即して理解を深めたい。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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