2018 Fiscal Year Annual Research Report
現代社会におけるツーリズム・モビリティの新展開と地域
Project/Area Number |
17H02251
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
神田 孝治 立命館大学, 文学部, 教授 (90382019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 英樹 立命館大学, 文学部, 教授 (00275348)
須藤 廣 跡見学園女子大学, 観光コミュニティ学部, 教授 (30275440)
松本 健太郎 二松學舍大學, 文学部, 准教授 (30558060)
吉田 道代 和歌山大学, 観光学部, 教授 (40368395)
高岡 文章 立教大学, 観光学部, 准教授 (50389483)
藤巻 正己 立命館大学, 文学部, 教授 (60131603)
藤木 庸介 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (70314557)
濱田 琢司 南山大学, 人文学部, 教授 (70346287)
鈴木 涼太郎 獨協大学, 外国語学部, 准教授 (70512896)
山口 誠 獨協大学, 外国語学部, 教授 (80351493)
橋本 和也 京都文教大学, 地域協働研究教育センター, 研究員 (90237933)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ツーリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,近年におけるツーリズム・モビリティの新展開に注目し,それを特定の地域に焦点をあてるなかで検討するものである。その際に,「科学技術の進展とツーリズム」,「ダークツーリズム」,「サブカルチャーとツーリズム」,「女性とツーリズム」,「アートとツーリズム」,「文化/歴史遺産とツーリズム」という6つのテーマを設定している。 前年度に引き続き,各テーマに関連するいくつもの成果が生み出された。特に,「科学技術の進展とツーリズム」に関するものは,本科研との共催で実現した観光学術学会第7回大会での「デジタルデバイスがツーリズムにもたらすものを展望する」と題したシンポジウムにおける口頭発表およびそれと関連する論文をはじめとして,多数発表されている。本研究課題の成果が,前年度同様,モバイルメディアがもたらす新しいツーリズムにかかる研究を牽引するものになったと考える。 また,研究会も積極的かつ有益な形で実施された。第1回研究会は,観光学術学会と共催して,上述のシンポジウムばかりでなく,「デジタル時代の地図と観光」と題したフォーラムも実現した。第2回研究会は,立命館大学人文科学研究所との共催で,マンチェスター・メトロポリタン大学教授のティモシー・エデンサー氏による“The Multiple Mobilities of Tourism”と題した講演と,「観光におけるグローバルな移動性(モビリティ)」と題したシンポジウムを実現した。こうした取り組みが,モビリティに注目した先端的な観光研究の知を,広く関連する研究者に提供する役割を果たしたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
主たる理由の1つに,成果の量・質に関するものがある。本科研に関連する成果が前年度に引き続き数多く発表されたことはもちろんのこと,特に「科学技術の進展とツーリズム」に関係するものは,上述のシンポジウムにおける口頭発表や関連する研究発表などを通じて,当該領域の研究に大きく貢献したと考える。 他の主たる理由としては,本科研の広がりに関するものがある。シンポジウム企画などの観光学術学会との連携は当初から予定していたが,2年目も継続してシンポジウム・フォーラムの共催を行い,想定以上の多様な研究者交流がなされることになった。また,第2回研究会は,立命館大学人文科学研究所との共催でシンポジウム等を実施し,さらなる連携の広がりを見せている。このように,本科研は,当初の想定以上に有益な研究交流の場を生み出しているといえる。加えてこうしたなかで,本科研の6つのテーマを基軸としながらも,前年度の「セキュリティ」や「おみやげ」に加え,「地図」や「アセンブリッジ」といった注目すべきさらなる分析視点・対象を見出している。こうした点でも,研究の広がりを見せているといえる。加えて,現代のツーリズム・モビリティを検討するにあたり,一部の研究では,前年度同様に近代における様相も浮き彫りにしており,時代としても当初の計画以上の広がりとなっている。研究計画において,越境・混淆を特徴とするモビリティをテーマにする本研究は,構成員が自身の担当以外のテーマにも貢献する場合がある旨を記していたが,結果として,前年度に引き続きそれ以外の点においても広がりを見せたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も,本年度までと同様の研究体制・研究方法で事業を進める。次年度も,理論研究として「移動論的転回」と呼ばれる議論に関連する文献を講読し,そこでの知見からツーリズムについて検討する。事例研究については,研究課題に適切な対象について,フィールドワークや資料調査などを行いながらすすめる。また,各構成員間の相互連携を図り, 研究内容について議論するために,年2回の研究会開催を予定している。そのうちの1回については,2018年7月開催の観光学術学会において,「モビリティからツーリズムを問う」と題したテーマセッションを本科研メンバーで企画することになっている。そこにおいて,本科研によって得られた研究成果を発表するとともに,議論をさらに深めることにしたい。なお,最終年度にあたる次年度については,このテーマセッションをはじめとして,研究成果の発表にとりわけ力を入れる予定である。
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Research Products
(30 results)